英文で読む大科学者のことば 2物質と生命をめぐって

東京工業大学科学史ゼミナール・編

英文で読む大科学者のことば 2物質と生命をめぐって

発行
1985/04/20
サイズ
A5判
ページ数
194
ISBN
978-4-06-139612-8
定価
2,563円(税込)
在庫
在庫無し

内容紹介

近代と現代の生物学・化学を中心に、大科学者の業績をその著作のサワリを英文で紹介し、科学の流れを人間的な側面も含めて照射する。平易で興味あふれる異色の科学史。

目次

1 化学の目で見た生物
  1.生命と物質のあいだ―ルイ・パストゥール
  2.世界最初の生化学教授―フレデリック・ホプキンス
  3.筋肉はなぜ動くか―ミオシンの酵素作用の発見―エンゲリガルトとリュビモア夫妻
  4.呼吸をつなぐ環 クエン酸サイクル―ハンス・A・クレブス

2 物理学者の見た生物
  1.分子遺伝学の開拓者―マックス・デルブリュック
  2.肺炎双球菌からDNAをのぞく―オズワルト・アベリー
  3.生命のらせん階段―ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリック
  4.偶然と必然―ジャック・モノー

3 顕微鏡で見た生物
  1.小さな部屋・細胞の発見―ロバート・フック
  2.発生と成長の基本原理としての"細胞説"―テオドール・シュワン
  3.結核菌とのたたかい―ロベルト・コッホ
  4.タバコモザイクウィルスの結晶―ウェンデル・スタンレー

4 生物の歴史をたどる
  1.博物学者の自然観―カール・フォン・リンネ
  2.自然は"種"を選択する―チャールズ・ダーウィン
  3.修道院の庭のエンドウ―グレゴール・メンデル
  4."生命の起原"を解く―アレクサンドル・オパーリン
  5.ミッシング・リンクの発見―レイモンド・ダート

5 動物の行動と人間
  1."武者ぶるい"の解剖―コンラート・ローレンツ
  2.人間の行動と解釈についての警告―ニコラス・ティンバーゲン
  3."社会生物学"の提唱―エドワード・ウィルソン
  4."社会生物学"への批判―スティーブン・グールド

6 からだの働きをさぐる
  1.血液は心臓から出て心臓へ戻る―ウィリアム・ハーベイ
  2.肝臓のなかの糖形成―クロード・ベルナール
  3.脳・条件反射の発見―イワン・ペトロビッチ・パブロフ

7 分子の構造をさぐる
  1.密林からの脱出―有機化学構造論の成立―フリードリッヒ・ケクレ
  2.立体化学の創始者―ファント・ホッフ
  3.化学結合の本性,電子対 ギルバート・ルイス
  4.化学結合論の裏面史 ライナス・ボーリング

8 物質の合成
  1.尿素の人工合成 フリードリッヒ・ウェーラー
  2.合成染料の開発 近代化学工業の先駆  ウィリアム・パーキン
  3.有機化学を通じて生化学へ エミール・フィッシャー
  4.鋼鉄のように強く,クモの糸のように優美に ウォーレス・カロザース

9 地球の歴史をとらえる
  1.地球史のなかでの人間の位置?ジョルジュ・ビュフォン
  2.空想的地球史の克服?ジェームズ・ハットンとチャールズ・ライエル
  3.大陸移動説の誕生?アルフレッド・ウェゲナー
  4.地球化学による地球史?ビクトール・ゴールドシュミット

10 人間と自然
  1.自然保護への提案?チャールズ・エルトン
  2."沈黙の春"からの叫び?レイチェル・カーソン
  3.枯葉剤への抗議
  4."かけげえのない地球"を守ろう?国連「人間環境宣言」