株式会社講談社サイエンティフィクは、株式会社講談社を親会社とする「講談社グループ」の一員で、
自然科学関連の出版物を刊行しています。
《科学技術立国の実現のために》
株式会社講談社サイエンティフィクは1970年9月に創立され、2025年に創立55周年を迎えた出版社です。1970年は大阪で万国博覧会が開かれ、日本が大きく飛躍を始めた年でもありました。同時に講談社でも、創業 60周年を迎えたのを機に、新雑誌・文庫・百科事典など、従来の枠を超えた企画が相次いで生まれました。そういった機運の中、グループ会社数社が創立され、なかでも重要な役割を担って創られたのが小社、講談社サイエンティフィクです。
当時、素粒子物理学の構築で世界をリードしていた湯川秀樹博士は「日本は文化を輸入するのみで輸出することが少なく、ほかの産業分野で見られる海外進出に比べると、自然科学分野での世界的に見た社会貢献が立ち遅れている」と主張されていました。湯川博士に共感した講談社の野間省一社長(当時)は、博士の理想とされる「オリジナリティのある出版物を刊行して、国際文化交流をはかる」という思いを具現化すべく、国際出版を目指す出版社として小社を設立しました。
それから時代が進み、小社では日本の科学技術の発展に貢献できるような国内向け出版の比重が年々高まり、現在は完全に国内向け出版が主力事業となっています。日本の研究者や学生のみなさんのお役に立てるよう、物理学、数学、情報科学、化学、生物科学、医学・薬学・臨床検査、栄養学、農学・水産学・獣医学・畜産学、地球環境科学など多岐にわたる自然科学関連分野の専門書を、毎年、多数発行しています。創立からの延べ刊行点数は和文書2600点、英文書180点に及びます。
創立のきっかけを作っていただいた湯川先生(1949年・物理学賞)のみならず、福井謙一先生(1981年・化学賞)、 白川英樹先生(2000年・化学賞)、 野依良治先生(2001年・化学賞)、南部陽一郎先生(2008年・物理学賞)、大隅良典先生(2016年・医学賞)と、小社出版物の著者の方々がノーベル賞を受賞していることは、大変誇りに感じています。
親会社である講談社の出版活動の基本理念は「おもしろくてためになる」ですが、小社は「わかりやすくてためになる」を基本理念としています。小社で人気の「単位が取れるシリーズ」が対象とする若い世代から、専門書の対象となる研究職の方々にまで、わかりやすく読んでいただける書籍を提供し、「単位」から「学位」、将来は「ノーベル賞」まで、取得のお手伝いができる出版社であることを目指しています。