講談社サイエンティフィクの会社紹介・沿革
「技術立国の実現のために」
株式会社講談社サイエンティフィクは1970年9月に創立され、2010年に創立40年を迎えた出版社です。1970年は大阪で万国博覧会が開かれ、日本が大きく飛躍を始めた年でもありました。同時に講談社でも、創業 60周年を迎えたのを機に、新雑誌・文庫・百科事典など、従来の枠を超えた企画が相次いで生まれました。そういう機運の中、関係会社数社が創立され、なかでも重要な役割を担って創られたのが小社、講談社サイエンティフィクです。
当時、素粒子物理学の構築で世界をリードしていた湯川秀樹博士は「日本は文化を輸入するのみで輸出することが少なく、ほかの産業分野で見られる海外進出に比べると、自然科学分野での世界的に見た社会貢献が立ち遅れている」と主張されていました。湯川博士に共感した講談社の野間省一社長(当時)は、博士の理想とされる「オリジナリティのある出版物を刊行して、国際文化交流をはかる」という思いを具現化すべく、国際出版を目指す出版社として小社を設立しました。
その後、刊行点数は和文書2300点、英文書180点に及びます。これらの刊行物の中には役目を終えて絶版となっているものもあるので、現在流通している書籍数は、和文書・英文書あわせて約500点です。
「世の中の科学離れに歯止めをかけたい」
小社では物理学、数学、情報科学、化学、生物科学、医学・薬学・臨床検査、食品・家政学、農学・水産学・獣医学・畜産学、地球環境科学などの専門書から、辞書、教科書、参考書まで手がけています。
親会社である講談社の出版活動の基本理念は、「おもしろくてためになる」ですが、小社は「わかりやすくてためになる」。そのためか、小社出版物の重版になる割合が極めて高いのも特徴です。
創立の経緯における湯川先生(1949年・物理学賞)のみならず、福井謙一先生(1981年・化学賞)、 白川英樹先生(2000年・化学賞)、 野依良治先生(2001年・化学賞)、南部陽一郎先生(2008年・物理学賞)、大隅良典先生(2016年・医学賞)と、小社出版物の著者の方々がノーベル賞を受賞している、ということを大変誇りに感じています。
小社の人気シリーズに「単位が取れるシリーズ」があります。このシリーズが対象とする若い世代から、専門書の対象となる研究職の方々にまで、わかりやすく読んでいただける書籍を提供し、「単位」から「学位」、将来は「ノーベル賞」まで、取得のお手伝いができる出版社となることを目指しています。