最新 食品学-総論・各論-(第4版)
- タイトル読み
- サイシンショクヒンガクソウロンカクロンダイヨンハン
- 著者ほか
- 石川洋哉/甲斐達男・編
- 著者ほか読み
- イシカワヒロヤ/カイタツオ
- 発行
- 2016/03/23
- サイズ
- A5
- ページ数
- 240
- ISBN
- 978-4-06-139845-0
- 定価
- 2,420円(税込)
- 在庫
- 在庫なし
内容紹介
日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠。シンプルでコンパクトな構成で食品学の全体がよくわかるテキスト。調理の基本として、また健康維持や疾病予防の基礎知識として必須の食品学をフルカラーで楽しく学ぶ。食品工学、フードスペシャリスト取得など幅広い分野に対応。
本書の前身は,1989 年に渡辺忠雄・榎本則行編として初版が刊行され,1997 年に第2 版が刊行された.第3 版は新たに渡辺忠雄・榎本則行・竜口和惠編として2006 年に刊行されたものである.
珍しい例だと思われるが,担当編集者である神尾朋美氏のよびかけにより,編者,著者ともに新旧交替して本著を引き継いだ.引き継ぎに際しては,前編者および著者安部一紀,市丸哲造,榎本則行,太田直一,岡玲子,川﨑良文,白石淳,関武純,竜口和惠,長谷川幸雄,松岡麻男,渡辺忠雄,渡邊泰利諸氏またはその著者権者の方からご了解を頂き,第3 版の原文と図表に加筆・削除・修正などを行い,第4 版を完成させた.ここに,著作権を第4 版の編者と執筆者に快くお譲り下さった先輩諸氏に厚く御礼を申し上げる.また,本著を継続・発展させようという強い気概で,この第4 版の企画・編集などすべての労に当たって下さった神尾氏に深く感謝を申し上げる.
今回の改訂に伴い,学生の使い勝手を考慮し,モノクロをカラー刷りにして,より一層,判りやすい教科書を目指した.基本構成は第3 版から変更していないが,2015 年公表の「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」および「日本食品成分表2015 年版(七訂)」が前版から大きく改訂されたため,その内容を反映させることに留意して本著の改訂を行った.また,これまでの対象が大学や短大で農学・家政学を学ぶ者,栄養士を目指す者,各種専修学校で食品学を学ぶ者であったのに対し,本改訂版では内容を充実させて管理栄養士国家試験の受験者にまで幅広く活用できるものにした.あわせて,最新の研究によって明らかとなった知見を,紙面の許す限り書き加えた.したがって,本著は,さまざまな分野で食品学を学ぶ者にとって,専門性と汎用性を併せ持つものとなった.
科学技術の進歩は日進月歩であり,食品の分野においても例外ではない.時代の変化に伴い,かつ上述したような目的に添って,本著が時代に即応したより充実したものとなるよう,著者一同,努力いたしたく,皆さまからの忌憚なきご意見やご助言を賜ることができれば,誠に幸いである.(第4版にあたってより)
【執筆者一覧】石川洋哉/石本祐子/市丸哲造/甲斐達男/木村宏和/古場一哲/小林弘司/高杉美佳子/古田吉史/安田みどり/山下耕平
目次
1.緒論
1.1 食をとりまく環境と食品の分類
A.食をとりまく環境
B.食品の分類
a.三色食品群
b.4つの食品群
c.6つの基礎食品群
d.国民健康栄養調査食品群別表による分類
e.食事バランスガイド
f.日本食品標準成分表(食品成分表)による分類
1.2 食品成分表
A.食品成分表の目的と歴史
B.概要
a.食品成分表の分類および配列
b.食品番号
c.廃棄率(%)および可食部
d.数値欄の記号
C.食品成分の分析と算出方法
a.エネルギー
b.水分
c.タンパク質
d.脂質
e.炭水化物
f.灰分と無機質
g.食塩相当量
h.脂肪酸
i.ビタミン
j.アルコール
k.備考欄
D.収載食品の特徴
a.「和食」文化の継承
b.健康志向の反映
c.食がかかわる時代の変化
d.調理法における各食品の成分値の違い
E.別冊成分表について
a.脂肪酸成分表
b.アミノ酸成分表
c.炭水化物成分表―利用可能炭水化物,糖アルコール及び有機酸―
2.食品の一般成分
2.1 炭水化物
A.炭水化物とは
B.単糖類
a.単糖類の立体配置
b.単糖類の環状構造
c.単糖類の性質
d.単糖類の種類
C.二糖類
a.スクロース(ショ糖)
b.マルトース(麦芽糖)
c.ラクトース(乳糖)
d.その他の二糖類
D.その他の少糖類
a.ラフィノース,スタキオース
b.フラクトオリゴ糖
c.カップリングシュガー
d.シクロデキストリン
E.誘導糖
F.多糖類
a.デンプン
b.グリコーゲン
c.デキストラン
d.セルロース
e.ペクチン
f.その他の多糖類
g.食物繊維
h.レジスタントスターチ
2.2 脂質
A.脂質とは
B.脂肪酸
a.飽和脂肪酸(SFA)
b.不飽和脂肪酸
c.必須脂肪酸
d.油脂の脂肪酸組成など
C.中性脂肪(トリアシルグリセロール,トリグリセド)
D.リン脂質
E.ステロール
F.油脂の性質
2.3 タンパク質
A.タンパク質とは
B.アミノ酸
C.タンパク質の構造
D.タンパク質の種類
E.タンパク質の性質
a.高分子的性質
b.等電点
c.変性
F.タンパク質の栄養
G.酵素
2.4 無機質
A.無機質とは
B.各種無機質
a.カルシウム(Ca)
b.リン(P)
c.ナトリウム(Na)と塩素(Cl)
d.カリウム(K)
e.鉄(Fe)
f.マグネシウム(Mg)
g.硫黄(S)
h.銅(Cu)
i.ヨウ素(I)
j.その他の無機質
C.酸性食品とアルカリ性食品
2.5 ビタミン
A.ビタミンとは
B.脂溶性ビタミン
a.ビタミンA
b.ビタミンD
c.ビタミンE
d.ビタミンK
C.水溶性ビタミン
a.ビタミンB1
b.ビタミンB2
c.ビタミンB6
d.ナイアシン
e.パントテン酸
f.ビオチン
g.葉酸
h.ビタミンB12
i.ビタミンC
j.その他のビタミン様物質
2.6 核酸
A.核酸とは
B.食品と核酸
2.7 水
A.食品中の水分とその作用
B.結合水と自由水
C.水分活性(Aw)
a.多水分食品
b.中間水分食品
c.低水分食品(乾燥食品)
3.食品の嗜好成分およびその他の成分
3.1 食品の嗜好に関する要素
A.品質と感覚
B.刺激と感覚
3.2 食品の色
A.食品の色と嗜好
B.食品の色素
a.カロテノイド類
b.フラボノイド類
c.ポルフィリン類
3.3 食品の味
A.食品の味と嗜好
B.味の生理
C.おもな味とその呈味物質
a.甘味
b.酸味
c.塩味
d.苦味
e.旨味
f.辛味,渋味,えぐ味
3.4 食品の香り
A.食品のにおいと嗜好
B.香りの生理
C.食品の香りと臭いの成分
a.植物性食品の香り
b.動物性食品の臭い
c.食品の加熱香気
3.5 食品のテクスチャー
A.食品のテクスチャーと品質
B.食品のテクスチャーの表現と測定法
C.テクスチャーが重視される食品
a.ゾル状食品
b.ゲル状食品
c.エマルション食品と泡沫食品
3.6 食品中の機能成分
A.ポリフェノール類
a.アントシアニン類
b.カテキン類
c.フラボノール類
d.イソフラボン類
e.ゴマリグナン
f.クルクミン
g.サポニン
h.その他
B.カロテノイド類
C.食物繊維,オリゴ糖
D.ペプチド,アミノ酸
E.脂質関連物質
F.その他
3.7 食品中の有害物質
A.自然毒
B.生産,貯蔵,加工の過程で食品を汚染する有害成分
a.残留農薬
b.環境汚染物質による食品の汚染
c.マイコトキシン(カビ毒)
d.食品加工により生成される毒性物質
4.食品の加工,調理による変化
4.1 食品中のタンパク質の変化
A.タンパク質の変性
B.タンパク質の酵素による加水分解
4.2 食品中のデンプンの変化
A.デンプンの糊化と老化
B.デンプンの酵素による分解
4.3 食品中の油脂の変化
A.油脂の酸化
4.4 食品の褐変
A.酵素的褐変
B.非酵素的褐変
4.5 食品のあく抜き
4.6 微生物による変化
A.微生物の種類
a.細菌類
b.酵母類
c.カビ類
B.微生物の増殖と環境
a.栄養要求
b.酸素
c.温度
d.水素イオン濃度
e.浸透圧
f.光線,放射線
C.微生物の増殖と水分活性
D.微生物による成分の変化
a.腐敗
b.発酵
5.食品各論
5.1 植物性食品
A.穀類
a.米
b.麦
c.トウモロコシ
d.その他の穀類
B.いも類
a.ジャガイモ(バレイショ)
b.サツマイモ(カンショ)
c.サトイモ
d.ヤマノイモ
e.コンニャクイモ
C.豆類
a.大豆
b.アズキ
c.その他の豆類
D.種実類
a.ゴマ
b.落花生(ピーナッツ)
c.クルミ
d.クリ
E.野菜類
a.葉菜類,茎菜類(葉茎菜類)
b.根菜類
c.果菜類
d.漬けもの
F.果実類
a.リンゴ
b.ナシ
c.みかん類(かんきつ類)
d.カキ(柿)
e.モモ
f.ウメ
g.ブドウ
h.イチゴ
i.スイカ
j.熱帯産果実
G.きのこ類
a.マツタケ
b.シイタケ
c.エノキダケ
d.マッシュルーム
e.その他
H.藻類
a.アマノリ
b.コンブ
c.ワカメ
d.ヒジキ
e.テングサ
f.その他
5.2 動物性食品
A.食肉類
a.わが国の食肉類
b.畜体の解体および畜体部位と品質
c.食肉類の成分
d.食肉の死後硬直と熟成
e.食肉加工品
B.乳および乳製品
a.わが国の牛乳の生産と消費
b.牛乳の分画
c.牛乳成分
d.牛乳の殺菌
e.乳製品
C.卵類
a.鶏卵の生産・消費
b.鶏卵の規格
c.鶏卵の構造
d.鶏卵の成分
e.卵の加工特性
f.卵の鮮度判定方法
D.魚介類
a.わが国の漁業
b.魚介類の種類と成分
c.わが国の主要魚介類
d.水産加工品
e.鮮度指標(腐敗の判別)
5.3 食用油脂
A.食用油脂の製法
B.食用油脂の種類
C.加工油脂製品
a.硬化油
b.マーガリン
c.ファットスプレッド
d.ショートニング
e.粉末油脂
f.サラダ油
5.4 コンビニエンス食品
A.冷凍食品
a.冷凍食品の種類
b.冷凍食品取扱いの基礎
B.缶詰め,びん詰め
C.レトルトパウチ食品
D.インスタント食品
a.即席めん類
b.インスタントコーヒー
c.電子レンジ食品
E.調理済み食品
F.その他の加工食品
a.特別用途食品と保健機能食品
b.健康食品
c.組立食品と成形食品
d.GIマーク食品
5.5 調味料および嗜好食品
A.甘味料
a.砂糖
b.デンプンからつくられる糖
c.新しい糖質甘味料
d.レアシュガー
e.はちみつ
f.その他の甘味料
B.調味料
a.食塩
b.しょうゆ
c.みそ
d.食酢
e.みりん
f.ソース類
g.化学調味料
C.香辛料
D.嗜好食品
a.茶
b.コーヒー
c.ココア
d.炭酸飲料,果実飲料
e.酒類
5.6 微生物利用食品,発酵食品