不可逆過程の熱力学入門
- タイトル読み
- フカギャクカテイノネツリキガクニュウモン
- 著者ほか
- 一柳正和・著
- 著者ほか読み
- イチヤナギマサカズ
- 発行
- 1995/11/20
- サイズ
- A5判
- ページ数
- 156
- ISBN
- 978-4-06-153219-9
- 定価
- 2,670円(税込)
- 在庫
- 在庫無し
内容紹介
プリゴジンの局所平衡の概念の限界を越えて、今“拡張された不可逆過程の熱力学”は、熱力学の基本概念をどう発展させれば可能かを学部学生向けに解説。
目次
1 熱力学の基礎
1.熱の科学の成立:気体の研究
2.熱力学の基本法則
1.温度
2.熱力学第1法則
3.潜熱と熱容量
4.Carnotサイクル
5.熱力学的温度とエントロピー
6.熱力学第2法則
7.混合のエントロピー
8.熱力学第3法則
3.熱力学的関係式
1.記号の意味
2.Legendre変換
3.自由エネルギー
4.Gibbsの関係式とGibbs-Duhemの条件式
5.Maxwellの関係式
4.熱力学的安定条件
1.エントロピー最大原理とエネルギー最小原理
2.化学平衡の条件
3.熱力学的不等式
5.熱平衡状態の諸性質
1.最小仕事と最大仕事
2.Le Chatelier-Braunの法則
6.外場の下にある系の熱平衡の条件
7.相平衡への応用:浸透圧
2 分子運動と熱力学
1.気体分子運動論
2.運動量分布関数
3.Avogadro数
4.平均自由行程
5.輸送現象の初等的理論
1.拡散現象
2.気体の粘性
3.熱伝導
6.Boltzmannの輸送方程式
7.Brown運動
8.可逆過程と準静的過程
3 線形不可逆過程の熱力学
1.不可逆過程
1.熱伝導現象への適用
2.一般の不可逆サイクル
2.摩擦と熱
3.熱電気現象
4.発生熱最小の原理
5.閉じた系の熱力学
6.Onsagerの相反関係
7.示量変数のバランス方程式
1.流体力学:完全流体の場合
2.流体力学への応用
3.弾性変形の熱力学
8.局所平衡の仮定
9.線形不可逆過程における物質状態の秩序性
1.エントロピー生成速度最小の原理
2.Onsagerの原理とPrigogineの原理の比較
3.定常状態の秩序性
10.非平衡定常状態の例
4 熱力学的ゆらぎと安定性
1.平衡系のゆらぎ
2.流体の熱平衡状態の安定性
3.熱力学第2法則の動的表現
4.対流系の安定性
5.積分形で書かれた安定性の条件
6.ゆらぎと輸送現象
1.ゆらぎの回帰過程
2.Nyquistの熱雑音定理
7.緩和現象の熱力学
1.簡単な例:自発緩和
2.Maxwellの粘弾性
3.線形負荷逆過程との関係
5 拡張された不可逆過程の熱力学
1.熱伝導現象の解析
2.荷電粒子の拡散
3.スピンの拡散
4.拡張されたOnsagerの原理
5.拡張された熱力学
6.非平衡系のエントロピーの導入
7.拡張された熱力学的関係式
付録