現代発生生物学の展開を英語論文でたどる。ゲノムの不変性を示した核移植の論文から、細胞接着、ホメオボックス遺伝子、アポトーシス、細胞分化誘導因子など、発生生物学の新しいテーマを扱った論文を紹介。
1 生殖細胞の形成と受精
1.ヒトの性決定機構――SRY遺伝子のクローン化
2.ショウジョウバエのミトコンドリアrRNAが生殖細胞形成に必要
3.ヒトデの卵成熟誘起物質の単離と同定
4.c-mosがん原遺伝子産物は未受精卵の細胞分裂抑制因子である
5.単一のウニ卵における受精初期現象の順序性と細胞内分布変化
2 形づくりの分子メカニズム
1.ツメガエル卵にアクチビンは存在して中胚葉誘導を引き起こす
2.組換えDNAより発現されたカドヘリンは細胞選別をもたらす
3.ニワトリ翼パターン形成におけるホメオボックス遺伝子の発現
4.神経冠細胞の移動によって末梢神経系が形成される
3 細胞分化の制御と細胞死
1.細胞分化の過程でゲノムは変化しない――表皮培養細胞の核移植
2.標識酵素の細胞内注入法によるホヤ胚の細胞系譜の解析
3.たった一つの遺伝子が筋細胞分化を決定する――MyoDの発見
4.網膜色素上皮細胞のレンズ組織への分化転換
5.Fas抗原はアポトーシス誘導シグナルを特異的に伝達する