医学・薬学系のための基礎生物学

著者・編者
発行
サイズ
B5判
ページ数
238
ISBN
978-4-06-153691-7
価格
4,180 (税込)
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医学・薬学系のための基礎生物学

内容紹介

医学・薬学系大学生のテキストに最適な一冊。
まったくの初学者にもよくわかるように、基礎からていねいに解説する教科書。
各章のはじめに、高等学校で学んだ基礎的な事項をまとめた。
章末にもまとめを掲載し、初学者の理解を助ける。

【執筆者一覧】
中村和生:北里大学一般教育部/同大学大学院医療系研究科[第2章,第6章]
松田宗男:杏林大学医学部[第5章]
守 隆夫:帝京平成大学薬学部/東京大学名誉教授[第3章,第4章,第7章,第8章]
八杉悦子:東京大学大学院医学系研究科[第1章]
八杉貞雄:京都産業大学工学部/東京都立大学・首都大学東京名誉教授[第1章,第9章~第11章]
(五十音順,[ ]内は担当章,所属は2009年4月現在)

【序文】
 本書は,主として医科大学,薬科大学,医学部,薬学部において生物学を学ぶ学生を対象とした教科書である.近年,医学部,薬学部に入学する学生諸君が,高等学校で生物を履修しないことが多いことが問題になっている.それは,生物学の基礎知識は医学・薬学系の大学における多くの授業科目の学習にとって必要不可欠であり,また国家試験でも生物学に関連する多くの設問があるからである.
 本書では,高等学校での生物I,IIを学習していることを前提として,医学部,薬学部で必要とされる知識を平明に解説することを心がけた.また,高等学校で生物を履修していない学生でも読んで理解できるように,できるだけ基礎的な内容から出発するように努めている.各章のはじめには,高等学校で学習したことをまとめている.この部分は,飛ばしてもらってもかまわないが,各章を学習する前には予習としてここを読んでいただくと,章の内容の全体が理解しやすくなるだろう.また,高等学校で生物を履修していない学生は,この「はじめに」を参考に,高等学校の生物の教科書や参考書などをひもといていただければと思う.各章の最後には「まとめ」を置いた.これも学習の成果を確認するために活用していただきたい.
 このように本書は,医師,薬剤師などをめざす学生諸君に有用な知識を提供することを考えて編集されている.同時に著者一同は,本書が,生物とは何か,生命とはどのようなものか,ということを考える指針となることを期待している.それは,いずれ人間の健康にかかわる職業につこうとしている学生諸君にとって,きわめて重要なことだと思うからである.
 内容は,生物のもっとも重要な特徴である細胞の説明からはじまり,生体物質,組織と器官,代謝,遺伝子と遺伝など,生物学の基礎的事項についての解説が続く.これらは,生体を理解するために必要な知識である.それらをもとに,からだ全体の調節機構,とくに神経系と内分泌系による調節の解説がなされる.また,ヒトのからだがいかにして形成されるかは,とくに医学系では重要であるので,ヒトの発生についてもふれられる.最後にヒトを取り巻く環境と生物進化という,現代に生きるすべての人が知っておくべき重要課題を解説した.
 著者はいずれも医学・薬学系の教育課程の中で生物系の科目を担当してきた.それぞれの授業科目の経験を生かしつつ,国家試験の動向なども見ながら本書を執筆した.学生諸君がより専門的な科目に取り組むときにも,本書を常に傍らに置いて,必要に応じて参照していただければ幸いである.
 著者を代表して 八杉貞雄