P450の分子生物学 第2版

著者・編者
発行
サイズ
A5判
ページ数
303
ISBN
978-4-06-153693-7
価格
5,280 (税込)
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P450の分子生物学 第2版

内容紹介

「第2版刊行にあたって」より
本書の初版が刊行されて6 年が経ちました.初版は幸いに多くの方々に読まれて増刷を重ねることができましたが,この間にもP450 の研究分野では様々な発展があり,初版刊行後の多くの新しい知見を取り入れた改訂版の作成が望ましいと考えました.初版で分担執筆された方々の賛同を得て第2 版を編集し,刊行の運びとなった次第です.第2 版では,各項目とも最新の知見を取り入れて改訂されていますし,第4 章に「レチノイン酸の代謝」,第7 章には「動植物P450 の微生物での発現と精製」の項目を新たに加えました.現時点でのP450 研究を概観することができるこの改訂版が生物学,医学,薬学,農学,生物工学など幅広い分野でP450 関連の研究をされている方々の参考資料としてお役に立つことを願う次第です.
 2009 年7 月 編  者

「初版序文」より
 本書「P450 の分子生物学」はP450 に関連した問題を研究しようとする方々がP450 についての最新の基礎知識を習得できる参考書として企画しました.1960年代に始まったCytochrome P450 の研究はステロールの生合成と代謝,ステロイドホルモンの生合成,薬物の代謝,化学物質による発癌など生物学,医学,薬学,環境科学分野の重要な諸問題の解明に寄与しながら発展し,最近ではゲノム計画の進展にも助けられて哺乳類だけでなく昆虫,植物,微生物など農学と関係の深い生物種についてもP450 が関与する代謝経路についての研究が進んで農学の領域でもP450 を対象とする研究が多くなっています.
 このようにP450 に関連した研究が生命科学すべての領域に広がるにつれて新しくP450 を研究する大学院学生あるいは若手研究者が増えていますが,P450 に関連した問題を研究するためにはP450 の分子的性質,P450 遺伝子の構造や発現調節,P450 が触媒する反応の機構などについての最新の基礎知識が必要です.新たにP450 に関連した問題を研究する人達のためにP450 について全般的な基礎知識を習得できる教科書あるいは参考書として本書の出版を企画した次第です.講談社からは1992 年に私どもが編集した英文書「Cytochrome P450, SecondEdition」が刊行されていますが,P450 の研究分野のその後の発展に対応するため本書では分担執筆者を大幅に変え,内容も一新されています.
 本書には,P450 についての概説(第1 章)に続いて,P450 の分子的性質と触媒する反応の機構(第2 章),P450 遺伝子の構造と発現調節機構(第3 章),動物,植物,微生物のP450 酵素系についての各論(第4,5,6 章),P450 についての研究情報のデータベース検索方法(第7 章)が記載されています.第7 章には各種生物群のP450 ファミリーの分類表とヒト,マウス,ラットの全P450 遺伝子の対応表が付表として付けられています.これら各章の諸項目を分担執筆された方々はいずれも現在第一線で研究されている方々です.P450 の研究では初期以来日本の研究者が大きな貢献をしてきており,現在も国際的に高い評価を受けている多数の研究者が国内で研究を続けています.本書に分担執筆された方々はいずれも担当項目についての専門家であり,本書の読者が本書の記載以上に詳しい知識を必要とされる場合にはそれぞれの項目の執筆者に連絡されるとよいでしょう.
 本書が新たにP450 について研究を始められる方々だけでなく広くP450 およびその関連分野の研究者の方々のお役にも立つことを望む次第です.
 2003 年10 月 編者 大村恒雄,石村 巽,藤井義明

【執筆者一覧】青山由利/五十嵐城太郎/石塚真由美/石村巽/板倉隆夫/乾秀之/今井嘉郎/上原雅行/大川秀郎/太田明徳/大村恒雄/岡本光弘/鎌滝哲也/神谷勇治/菊田安至/北島正人/楠瀬正道/桑野栄一/小暮高久/後藤修/小林カオル/榊利之/篠田徹郎/清水透/祥雲弘文/荘司長三/城宜嗣/杉本宏/木正道/高久洋暁/田辺忠/寺岡宏樹/永野真吾/根岸正彦/能城光秀/野中泰樹/濱田博司/藤井義明/藤田正一/三谷芙美子/三村純正/山添康/吉田雄三/吉成浩一/渡辺芳人