近赤外スペクトル法
- タイトル読み
- キンセキガイスペクトルホウ
- 著者ほか
- 岩本令吉・著
- 著者ほか読み
- イワモトレイキチ
- 発行
- 2008/10/01
- サイズ
- A5判
- ページ数
- 214
- ISBN
- 978-4-06-154349-2
- 定価
- 4,180円(税込)
- 在庫
- 在庫無し
内容紹介
近赤外吸収の赤外吸収との違い,
近赤外スペクトルによる構造の解析,
赤外とは違う有用性,利用法を
著者の蓄積した豊富なデータを用いて解説!!
“・・・・・・このような特性を持つ近赤外スペクトルから「分析に有効などのような情報を引き出せるか」,これが近赤外スペクトル法を分析に利用する上で最も重要な課題となる.ここで,孤立振動モード(またはグループ振動)の結合音(または倍音)振動が示す“近赤外グループ吸収”ならびに「基準振動の特性」をまだ残す「第 1 次結合音吸収」に,注目した.このようなことを,多くの測定スペクトルから読み取りながら,「近赤外スペクトルをどのように解釈し,どのように分析に利用できるか」を主題として本書にまとめた.”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(本書“序”より)
目次
序
1 赤外吸収と近赤外吸収
1.1 基準振動と赤外吸収
1.2 非調和振動
1.2.1 非調和振動ポテンシャル
1.2.2 ローカルモード
1.2.3 共有結合タイプと近赤外吸収
1.3 近赤外吸収
2 測定法
2.1 FT-IR/NIR分光計
2.1.1 光学系
2.1.2 光 源
2.1.3 干渉計(ビームスプリッター)
2.1.4 検出器
2.1.5 測定波数域の選択
2.2 測定法
2.2.1 測定手順
2.2.2 サンプリング法
2.2.3 スペクトル測定
2.3 スペクトル測定とノイズ
2.3.1 ノイズの特性
2.3.2 実効ノイズ
2.3.3 試料調製および測定条件とスペクトルの質
2.3.4 スペクトル測定とその「質」への留意
2.4 溶液測定――近赤外スペクトル法の新展開分野
2.4.1 溶液研究への近赤外法の利点
2.4.2 溶媒吸収の影響
2.4.3 溶液研究法としてのポテンシャル
3 近赤外吸収解釈の基礎
3.1 用語法および表示法
3.2 孤立 CH 振動モードの近赤外吸収
3.2.1 CH
3.2.2 CH-C-CH
3.2.3 孤立 CH 振動モードの結合音および倍音吸収
3.3 カップリング CH 振動モードの近赤外吸収
3.3.1 CH-CH
3.3.2 CH2
3.3.3 カップリング CH 振動モードの結合音および倍音吸収
3.4 CH2 鎖の近赤外吸収
3.4.1 CH2-CH
3.4.2 CH3(CH2)5CH3
3.4.3 CH2 連鎖効果
3.5 近赤外スペクトル解釈の基礎
3.5.1 CH グループの近赤外スペクトル
3.5.2 孤立 CH の近赤外吸収と近赤外グループ吸収
3.5.3 第1次結合音 {[ν1(CH)] + [δ1(CH)]} と基準振動
3.5.4 カップリング CH 振動による中・高波数域の結合音および倍音吸収
4 有機・高分子化合物の近赤外吸収
4.1 近赤外スペクトルと波数域
4.2 第 1 次結合音と構造
4.2.1 飽和炭化水素
4.2.2 不飽和炭化水素
4.3 ベンゼン系化合物
4.3.1 結合音と対称性
4.3.2 ベンゼン
4.3.3 ベンゼン誘導体
4.4 エチレン系高分子
4.4.1 ポリエチレン
4.4.2 EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)
4.5 有機・高分子化合物の近赤外スペクトル
5 近赤外グループ吸収
5.1 近赤外グループ吸収の発現環境
5.1.1 孤立 YXH とその結合音および倍音振動
5.1.2 グループ吸収と周辺吸収の影響
5.2 グループ吸収
5.2.1 CH
5.2.2 OH
5.2.3 NH
5.3 グループ吸収と近赤外スペクトル法
6 溶液分析への応用
6.1 近赤外スペクトル法の溶液分析能力
6.1.1 差スペクトル法と溶質スペクトル分離
6.1.2 溶媒ノイズと分析限界
6.2 アルコール OH の特性
6.2.1 会合の OH 赤外および 近赤外吸収への影響
6.2.2 フリー OH の内部回転異性体
6.3 1 対 1 水素結合の OH 振動特性への影響
6.3.1 OH 伸縮基本音振動への影響
6.3.2 OH 伸縮倍音振動への影響
6.4 近赤外スペクトル法と溶液分析
7 水分の状態分析
7.1 水分のスペクトル測定法
7.1.1 脱水・吸水追跡法
7.1.2 疎水性単離法または HIIR 法
7.2 水分状態と赤外・近赤外スペクトル
7.2.1 水の基本音振動および結合音振動
7.2.2 水とアルコール OH との相互作用
7.2.3 水と解離性基との相互作用
7.3 水分の定量分析
7.3.1 検量線作成
7.3.2 定量分析
7.3.3 状態分析
7.4 水分の OH 伸縮振動吸収および結合音吸収
8 近赤外・赤外スペクトル法の将来
8.1 近赤外スペクトル法の特徴
8.1.1 最新 FT-IR/NIR 分光計
8.1.2 近赤外光学材料
8.1.3 溶液分析能力
8.2 近赤外スペクトル法と近赤外グループ吸収
8.3 近赤外スペクトル法の将来
付 録 補遺近赤外スペクトル
索 引