緩衝液 その原理と選び方・作り方

著者・編者
発行
サイズ
A5判
ページ数
190
ISBN
978-4-06-154363-8
価格
3,740 (税込)
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緩衝液 その原理と選び方・作り方

内容紹介

目的にあった緩衝液を,選んで,作れる実用書
分析化学,生命科学の実例を用途別に豊富に収載

"溶液の酸塩基平衡は,最も身近な化学平衡であり,また化学の基礎でもある.特に緩衝液は,溶液の pH の調節,制御に関与し,基礎的な実験・理論から,工業的な応用,さらには生命科学にわたる汎用的な概念であり実用的な技術でもある.このような適用分野の広さに対応して,その理論・応用は基礎から各論へと大きく広がっている."緩衝液"を主題とした解説やデータは,種々の専門書,教科書に分散して記述されており,まとめられた教科書,解説書はあまり多くはない.D.D.Perrin と B.Dempsey により "Buffers for pH and Metal Ion Control"(Chapman and Hall(1974))が出版され,"緩衝液の選択と応用 水素イオン・金属イオン"(講談社(1981))として訳本が十数版を重ねている.この本では緩衝液についてのそれまでの歴史的なデータが網羅されている.しかし,その後緩衝液の応用は大きく発展しており,現在の要求に十分に応えられなくなっていると考えられる.
 本書では,緩衝液についての基礎を理解していただくとともに,新しい応用分野も加え,実際に緩衝液を使用したいときの手引書としても用いられることを目的としている.第 I 部では,基礎となる酸塩基の溶液内平衡および緩衝作用による pH 変化を解説した.また,pH 測定,活量,錯形成,副反応などの緩衝作用に関係した基礎的な理論・基準について解説した.第II部では緩衝物質の目的,選択法,そして緩衝液を作製・使用する際の一般的な溶液調製法や使用における基礎的な操作などを解説した.第III部と第IV部は,個々の緩衝液の具体的な調製法を示した実用編である.特に,生命科学分野では目的に応じて多種多様に応用されており,使用法,調製法などは無機・分析分野とは大きく異なっている.このため,応用編は無機・分析分野(第III部)と生命科学分野(第IV)とに分けて解説した.特に第IV部(生命科学)は,測定・実験に即し,各論的に記述した.
 理論か実用か,もしくは無機・分析か生命科学,いずれかのみに興味を持たれる読者のため,それぞれの部で理解できるよう構成した.すなわち,第I部の解説を参照しなくとも基礎を理解できるよう第II~IV部においても,必要最小限の基礎的事項は再度簡潔に解説している.基礎的なpH,酸・塩基の理解から,専門分野のマニュアル的な利用法まで,広く利用いただければ幸いである.(本書まえがきより)"