たのしい物理化学1 化学熱力学・反応速度論

加納健司/山本雅博・著

たのしい物理化学1 化学熱力学・反応速度論

発行
2016/11/21
サイズ
B5
ページ数
272
ISBN
978-4-06-154395-9
定価
3,190円(税込)
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内容紹介

名コンビが数式の意味を丁寧に解説した国産テキストの決定版!反応速度論も過不足なく解説した。初学者向けで演習問題も豊富。物理化学をもっとわかりやすく!物理化学をたのしくマスター!化学の本質は熱力学にあり。

目次

第1章 物理化学で用いる数学の復習
1.1 指数関数と対数関数
1.2 ネイピア数と自然対数
 コラム1.1 利子の連続複利とネイピア数e
1.3 微分
1.4 積分
 コラム1.2 円周率π
1.5 全微分と偏微分
1.6 完全微分と不完全微分
1.7 ガウス積分
1.8 テイラー級数展開とマクローリン級数展開
1.9 スターリングの公式
1.10 二項分布
1.11 同次関数についてのオイラーの定理
章末問題

第2章 物理量と単位と物理法則
2.1 物理量と単位
2.2 基本物理量と組立物理量
2.3 接頭語と分率
2.4 ニュートンの運動の法則
2.5 バネと振動
2.6 向心力と遠心力
2.7 万有引力と重力
2.8 圧力
2.9 分子質量,モル質量,分子量
 コラム2.1 元素の誕生
 コラム2.2 アボガドロ定数
2.10 力学的エネルギー
2.11 状態方程式と標準状態
 コラム2.3 近代化学の祖:ロバート・ボイル
2.12 気体運動論による圧力の理解
2.13 電気に関する物理量と単位
 コラム2.4 造語の達人:ファラデー
 コラム2.5 地球の誕生とクーロン力
2.14 光子エネルギー
 発展2.1 光子の運動量
 発展2.2 質量とエネルギーの等価性
2.15 ボルツマン分布
 参考2.1 ミクロとマクロ
 コラム2.6 サイコロの目でみるボルツマン分布
 参考2.2 ボルツマンの功績
 発展2.3 マクスウェル─ボルツマン分布
 発展2.4 統計熱力学
章末問題

第3章 熱力学入門
3.1 熱力学系
3.2 示強変数と示量変数
3.3 仕事と熱
3.4 熱力学的状態関数
 参考3.1 状態関数と経路関数
 コラム3.1 登山からみた状態関数と経路関数
3.5 熱力学法則
 参考3.2 内部エネルギーで議論する意味
 参考3.3 等温膨張・圧縮における可逆と不可逆過程
3.6 定圧条件下の反応熱qPはエンタルピー変化ΔH
 参考3.4 エンタルピー変化の符号と熱化学方程式の反応熱との相違
3.7 標準反応エンタルピーと標準モル生成エンタルピー
3.8 エンタルピーと内部エネルギーの温度変化
3.9 エントロピーの温度変化と標準モルエントロピー
 参考3.5 示差走査熱量測定
3.10 理想気体の断熱可逆膨張・圧縮
 コラム3.2 身の回りの断熱膨張と断熱圧縮
章末問題

第4章 エントロピー
4.1 カルノーサイクル
 コラム4.1 革命後のパリで,1人で苦悩し考え出したカルノーの原理が,科学革命を引き起こした!
4.2 2つの顔をもつエントロピー
 参考4.1 熱は高温源から低温源へ移動する
 参考4.2 膨張によるエントロピー増加の分子論的解釈
 発展4.1 統計熱力学的なエントロピーの導出
 参考4.3 ボルツマン分布の再導入
4.3 可逆的体積変化の熱移動とエントロピー変化
 参考4.4 理想気体の可逆的体積変化によるエントロピー変化
 参考4.5 1/Tは不完全微分δqrevを完全微分に変える積分因子
4.4 カルノーサイクルの逆回転
 参考4.6 カルノーサイクルの逆回転の別の考え方
 参考4.7 エンジンの熱効率の向上の試み
4.5 混合エントロピー
 参考4.8 混合エントロピーの統計熱力学的解釈
4.6 標準反応エントロピー
章末問題

第5章 自由エネルギーと化学ポテンシャル
5.1 T,V一定のときのヘルムホルツエネルギーAとwnon-PV
5.2 T,P一定のときのギブズエネルギーGとwnon-PV
5.3 標準モル生成ギブズエネルギーと標準反応ギブズエネルギー
5.4 共役反応
 コラム5.1 褐色脂肪細胞
5.5 熱力学基本式とマクスウェルの関係式
 コラム5.2 状態関数の全微分式の覚え方
 参考5.1 理想気体の内部圧はゼロである
 参考5.2 黒体放射に関するステファン・ボルツマンの式
 参考5.3 気体の液化に使われるジュール─トムソン膨張
 発展5.1 マクスウェルの規則
5.6 ギブズエネルギーの温度依存性
5.7 ギブズエネルギーの圧力依存性
5.8 基準を変えた化学ポテンシャルの表現
 参考5.4 G,Aとμiの関係
 発展5.2 理想気体の化学ポテンシャルを統計力学的に求める
5.9 活量と活量係数
 コラム5.3 活量のたとえ話
 参考5.5 エタノールと水の混合
5.10 イオンの活量係数
 参考5.6 平衡定数のイオン強度依存性
章末問題

第6章 相平衡
6.1 相平衡と化学ポテンシャル
6.2 純物質の相平衡の温度依存性
6.3 純物質の相平衡の圧力依存性
6.4 相平衡の温度と圧力の関係
 参考6.1 相律
6.5 蒸気圧の温度依存性
 コラム6.1 減圧蒸留とオートクレーブ
6.6 溶液が関与する相平衡
 参考6.2 ギブズ─デュエム式
6.7 蒸気圧降下
6.8 沸点上昇
6.9 凝固点降下
6.10 浸透圧
 参考6.3 分配
章末問題

第7章 化学平衡
7.1 平衡定数と反応商
7.2 化学平衡の法則
7.3 熱力学的観点の化学平衡
7.4 平衡とエントロピー
7.5 平衡定数の圧力依存性
 参考7.1 アンモニア生成反応の圧力依存性
7.6 平衡定数の温度依存性
 コラム7.1 科学の功罪
7.7 生化学的標準状態
章末問題

第8章 酸塩基反応
8.1 酸定数(酸解離定数)
 参考8.1 水のpKaの考え方
8.2 共役酸と共役塩基の濃度のpH依存性
8.3 酸塩基平衡の基本式
8.4 緩衝液
 コラム8.1 強酸・弱酸は溶媒が決める
8.5 緩衝能
 参考8.2 緩衝能の定義と平衡論的意味
8.6 酸塩基反応の熱力学
章末問題

第9章 酸化還元反応
9.1 酸化数
9.2 ダニエル電池
9.3 起電力(電位)と酸化還元反応のギブズエネルギー
9.4 イオン・電子の電気化学ポテンシャルとネルンスト式
9.5 電池反応のギブズエネルギー
9.6 H+が関与する酸化還元平衡
 参考9.1 酸化還元酵素の慣用名と反応の方向
 参考9.2 呼吸鎖と光合成系の電子移動の方向
9.7 錯形成を伴う酸化還元反応
9.8 ドナン平衡
章末問題

第10章 界面
10.1 界面の熱力学
10.2 電気毛管曲線方程式
10.3 ラングミュアの吸着等温式
 参考10.1 吸着等温式の速度論的導出
10.4 フルムキンの吸着等温式
 参考10.2 統計熱力学的吸着モデル
 発展10.1 ミオグロビンとヘモグロビンの酸素結合
章末問題

第11章 反応速度式
11.1 反応に固有な反応速度
 参考11.1 素反応と複合全反応
11.2 反応次数の決定法
11.3 一次反応速度式
 コラム11.1 14C年代測定法
 参考11.2 放射性元素の半減期
 コラム11.2 微生物の増殖速度
11.4 可逆一次反応速度式
 参考11.3 糖の変旋光
11.5 ニ次反応速度式
11.6 逐次反応速度式
 参考11.4 線形一次常微分方程式の解法
11.7 定常状態近似と前駆平衡近似
章末問題

第12章 反応速度論
12.1 拡散律速反応
12.2 遷移状態理論
 参考12.1 反応座標
 発展12.1 統計熱力学に基づいた速度定数の厳密な考え方
12.3 アレニウスの速度式
 参考12.2 活性化エネルギー
 参考12.3 気体の二分子反応速度定数の温度依存性
12.4 速度定数の温度依存性
12.5 自由エネルギー直線関係
 参考12.4 ハメット則
12.6 電子移動速度
12.7 マーカス理論
12.8 酸塩基触媒作用
12.9 イオン反応速度の塩効果
章末問題

第13章 酵素反応速度論
13.1 酵素反応速度論
 参考13.1 ゼロ次反応
 参考13.2 逐次定常反応の反応速度の逆数表現の物理的意味
13.2 酵素反応阻害
13.3 多基質酵素反応
13.4 酵素活性のpH依存性
章末問題

第14章 物質移動と物質輸送
14.1 物質移動の駆動力
14.2 拡散
14.3 平均拡散距離
 発展14.1 一次元のランダムウォーク
 コラム14.1 奇跡のブラウン運動とその解明により勝利を得た原子論
14.4 電気泳動
 参考14.1 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
 参考14.2 等電点電気泳動
14.5 ネルンスト─プランクの式
14.6 電気伝導率
 参考14.3 コールラウシュの平方根則の解釈
14.7 遠心沈降
 参考14.4 浮力補正項
 参考14.5 生化学で重要なスベドベリー単位
章末問題