絶対わかる電気化学

著者・編者
発行
サイズ
A5判
ページ数
190
ISBN
978-4-06-155068-1
シリーズ
絶対わかる化学シリーズ
価格
3,080 (税込)
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絶対わかる電気化学

内容紹介

 電池,光触媒,電解合成,電気化学分析など,世間一般にも専門家にも注目を集める電気化学を,歯切れよい解説と多数の図版で簡潔明瞭に解説.
 とっつきやすく,わかりやすい解説を順を追って読んで行けば,初学者にも基礎から最近の成果までスラスラわかる.
 "電気化学は化学物質と電気のかかわりを研究する学問分野である.電気というと化学とは異質で,むしろ物理に近いもののように思われるかもしれない.しかし,電流とはそもそも電子の流れのことであり,化学は電子の科学といってよいほどに電子と密接に関係した学問であることを考えれば,電気化学は化学の中心的な研究分野であることもなっとくいただけるものと思う.
 電気化学の大きなテーマの一つである電池の原初的なモデルであるボルタ電池が開発されたのは 1800 年であり,それから数えると電気化学の歴史は 200 年に達しようという長きにわたるものである.
 本書は,このような電気化学の基礎から最近の成果までを幅広く,理解しやすく紹介しようというものである.本書の構成は 3 部 12 章からなる.
 第1部は「電気化学の基礎」である.第 1 章で電気化学の反応種を作る「原子とイオン」を解説した後,第 2 章で「化学電池」の基本的なものを解説し,さらに第 3 章で「実用電池」として二次電池,イオン濃淡電池,水素燃料電池,さらに太陽電池などについて解説するものであり,電気化学の基礎を固めるものである.
 第2部は「電気化学の理論」であり,電気化学の物理化学的側面を扱うものである.第 4 章「電解質溶液」で電解質とその溶液一般の物性を明らかにした後,第 5 章「化学平衡とエネルギー」で電気化学のエネルギー的側面をつかむ.その後,第 6 章「電池の起電力」で,電池の理論的背景を明らかにした後,第 7 章「電極周辺の化学」で電極と分子のかかわりを見ることにする.
 第3部は「電気化学の応用」であり,電気化学が化学研究や化学産業においてどのような役割を演じているかを見るものである.第 8 章「電気めっきと電気分解」はいずれも工業的に重要な技術である.第 9 章「無機電解合成」では無機物の電解合成を中心に見,続く第 10 章「有機電解合成」では有機物の電解合成を扱う.
 第 11 章「光と電気化学」は電気化学の中でも新しい分野であり,半導体と光エネルギーのかかわり,光触媒の反応機構,さらに植物の光合成を扱う.電気化学の重要な応用分野に第 12 章「電気化学分析」がある.サイクリックボルタンメトリーは有機反応機構の解明になくてはならないものであり,電気泳動は生化学,生命化学分野で重要な分離分析手段である.(本書「はじめに」より)"