生態学からみた野生生物の保護と法律

(財)日本自然保護協会・編集

生態学からみた野生生物の保護と法律

発行
2003/11/20
サイズ
A5判
ページ数
262
ISBN
978-4-06-155216-6
定価
4,180円(税込)
在庫
在庫無し

内容紹介

野生生物種の絶滅を回避しようとする際、絶滅原因を抑止する機能を備えた実効的な法制度が求められる。すなわち、採取・捕獲の制御およびそれを効果的に実施するための譲渡規制、生息地に対する人為的攪乱の規制、生息地のネットワーク化、外来種の排除または制御、化学物質の排出規制および清浄化、疾病の監視と制御、などである。
また、こうした原因が直接の脅威となっていなくても、繁殖可能な集団の個体数が一定数を下回ると、環境の変化や遺伝的なゆらぎによっても絶滅は引き起こされてしまう。したがって、求められる法制度では、個体数の監視とともに、必要に応じて個体数を回復させる手段をもたなければならない。

目次

1章 野生生物の現状と法制度
 1.1 野生生物とその生息地
 1.2 野生生物の法的な位置づけ
 1.3 日本の自然保護法の現状と課題

2章 絶滅のおそれのある種の保護
 2.1 保全生態学からみた保護の考え方
 2.2 対策に必要な法制度
 2.3 種の保存法の問題点と改正への提案
 2.4 絶滅を回避するための提言

3章 外来種問題
 3.1 保全生態学からみた外来種問題の考え方
 3.2 外来種問題への対応の現状と認識
 3.3 外来種対策のための制度の提案
 3.4 外来種の根絶・抑制のための対策の実施にあたって

4章 野生生物の保護管理と狩猟
 4.1 保全生態学からみた現状と問題点
 4.2 対策に必要な制度や実施体制
 4.3 鳥獣保護法の問題点と改正への提言

5章 海生哺乳類の保護
 5.1 海生哺乳類の現状と問題点
 5.2 海生哺乳類にかかわる法制度
 5.3 現行法制度の問題点
 5.4 新たな制度設計の提案

6章 野生生物の商業利用と種の絶滅
 6.1 商業利用による種の絶滅の歴史
 6.2 野生生物の「持続可能な利用」とは
 6.3 野生生物の商業利用を制御するために
 6.4 野生生物の商業利用に関する提言