宇宙地球科学
- タイトル読み
- うちゅうちきゅうかがく
- 著者ほか
- 佐藤文衛/綱川秀夫・著
- 著者ほか読み
- さとうぶんえい/つなかわひでお
- 発行
- 2018/01/25
- サイズ
- A5
- ページ数
- 352
- ISBN
- 978-4-06-155242-5
- 定価
- 4,180円(税込)
- 在庫
- 在庫あり
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内容紹介
地球、太陽系、銀河、そして全宇宙――。この広大な世界と多様性豊かな天体は、いかにして誕生し、進化してきたのか? 新しい観測と理論との結びつきを重視し、さまざまな時空間スケールの自然像を解説する。天文学、惑星科学、地球科学を学ぶ万人に満を持して推奨する決定版テキスト。
目次
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まえがき
ギリシア文字の読み方
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第I部 天文・宇宙編
第1章 太陽系の測量
1.1 地球の大きさ
1.2 月の大きさと距離
1.3 天体の動き:地球中心説と太陽中心説
1.3.1 天体の見かけの動き
1.3.2 地球中心か太陽中心か
1.4 太陽までの距離:1天文単位の測定
1.5 太陽系の縮尺
Teatime 太陽中心説の証拠
第2章 運動の法則と天体の質量
2.1 ケプラーの法則
2.1.1 第1法則:惑星は太陽を1つの焦点とする楕円上を運動する
2.1.2 第2法則:惑星と太陽を結ぶ線分が単位時間に掃く面積は一定である
2.1.3 第3法則:惑星の公転周期の2乗は楕円軌道の長半径の3乗に比例する
2.2 ニュートンの運動の3法則
2.3 万有引力の法則
2.4 太陽の質量
2.4.1 太陽の周りを回る惑星
2.4.2 共通重心の周りを回る太陽と惑星
2.5 大きさのある物体からの万有引力
Teatime 万有引力定数
第3章 星の温度とスペクトル
3.1 黒体放射
3.1.1 黒体放射とみなせる例(1):空洞放射
3.1.2 黒体放射とみなせる例(2):恒星
3.1.3 黒体放射の性質
3.2 太陽の放射エネルギーと表面温度
3.3 スペクトル
3.3.1 電磁波
3.3.2 線スペクトルが生じる仕組み
3.4 光の放射と吸収
Teatime 地球のスペクトル
第4章 恒星の分類
4.1 年周視差を利用した距離の測定
4.2 星の明るさ:等級
4.2.1 等級の定義
4.2.2 距離の効果と絶対等級
4.3 星の色:色指数
4.4 色-等級図(HR図)
4.5 スペクトルを用いた恒星の分類:MK分類
4.5.1 スペクトル型:有効温度
4.5.2 光度階級:絶対等級
4.5.3 分光視差を利用した距離の測定
4.6 距離のはしご
Teatime 星の音色
第5章 銀河系の構造
5.1 太陽系から銀河系へ:ハーシェルの宇宙とシャプレーの宇宙
5.2 天体の固有運動と視線速度
5.2.1 固有運動
5.2.2 視線速度
5.3 銀河系円盤の回転と渦巻き構造
5.3.1 太陽近傍の天体の速度
5.3.2 太陽から離れた星間ガスの速度
5.3.3 銀河系円盤の回転速度と質量の分布
5.4 星の種族
Teatime 銀河の合体の痕跡
第6章 銀河と宇宙の階層構造
6.1 島宇宙論争
6.2 銀河
6.2.1 銀河の分類:ハッブル分類
6.2.2 銀河からの放射と銀河の色
6.2.3 銀河の運動
6.2.4 活動銀河中心核
6.3 宇宙の階層構造
Teatime 遠方宇宙の探索
第7章 膨張する宇宙
7.1 宇宙膨張の発見:ハッブルの法則
7.2 宇宙膨張の概念
7.3 宇宙膨張の力学:ニュートン力学的モデル
7.4 宇宙の温度
7.5 ビッグバン理論
7.5.1 宇宙誕生直後の3分間
7.5.2 宇宙の晴れ上がりと宇宙マイクロ波背景放射
Teatime 加速する宇宙膨張
第8章 元素の起源
8.1 宇宙の組成
8.2 元素と原子核
8.2.1 元素と原子
8.2.2 核種
8.2.3 原子の魔法数
8.2.4 原子核の魔法数
8.3 原子核の崩壊
8.3.1 半減期
8.3.2 放射壊変
8.4 核融合反応
8.5 ビッグバン元素合成
8.5.1 軽元素の合成
8.5.2 質量数8の壁
Teatime 新星爆発:リチウムの合成工場
第9章 恒星の内部構造
9.1 星はなぜ輝くのか
9.2 恒星内部を記述する方程式
9.2.1 質量
9.2.2 静水圧平衡
9.2.3 エネルギー輸送
9.2.4 エネルギー保存
9.2.5 太陽の内部構造
9.3 恒星のエネルギー源
9.4 主系列星の性質
Teatime 太陽ニュートリノ問題
第10章 恒星の進化と元素合成
10.1 主系列後の進化
10.1.1 主系列星から巨星へ
10.1.2 赤色巨星:ヘリウム燃焼
10.1.3 小質量星の最期
10.1.4 大質量星の最期
10.2 星団にみる恒星の進化
10.3 主系列後の恒星内部での元素合成
10.3.1 ヘリウム燃焼(トリプルα反応)
10.3.2 タマネギ構造の恒星
10.3.3 超新星爆発
10.4 鉄より重い元素の合成
10.4.1 中性子捕獲反応
10.4.2 s過程(slow process)
10.4.3 r過程(rapid process)
Teatime ブラックホールの合体:重力波の直接検出
第11章 星形成
11.1 星形成過程の概略
11.2 星形成の現場
11.3 重力収縮の時間尺度
11.3.1 ジーンズ不安定
11.3.2 自由落下時間(free-fall time)
11.4 前主系列星の進化経路
Teatime アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)
第12章 わが太陽系の概観
12.1 太陽系の構成要素
12.2 太陽
12.2.1 太陽の構造
12.2.2 太陽の磁場
12.3 惑星
12.3.1 太陽系惑星の軌道
12.3.2 太陽系惑星の大分類
12.3.3 太陽系惑星の組成
12.4 小惑星
12.5 彗星
12.6 太陽系外縁天体
Teatime 冥王星
第13章 太陽系の起源
13.1 太陽系の形成シナリオ
13.2 太陽系を作るための最小質量円盤
13.2.1 原始太陽系星雲の復元
13.2.2 最小質量円盤モデル
13.3 微惑星から惑星へ
13.3.1 微惑星から原始惑星へ
13.3.2 原始惑星と原始惑星の生き残り
13.3.3 原始惑星からガス惑星へ
13.4 汎惑星系形成モデルへ
Teatime ダスト落下問題
第14章 隕石の年代学
14.1 隕石
14.1.1 隕石の種類
14.1.2 コンドライトの構成
14.2 放射性同位体を用いた年代測定
14.3 隕石から探る天体の形成年代
14.3.1 地球
14.3.2 月
14.3.3 火星
14.3.4 小惑星
Teatime プレソーラー粒子
第15章 系外惑星系
15.1 系外惑星は直接見えるか
15.2 系外惑星の観測:アストロメトリ法、視線速度法
15.2.1 アストロメトリ法
15.2.2 視線速度法
15.3 系外惑星の観測:トランジット法
15.3.1 トランジット
15.3.2 系外惑星の大気と温度
15.3.3 系外惑星の公転の向き
15.4 系外惑星の性質
Teatime 生命居住可能領域(ハビタブルゾーン)
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第II部 地球・太陽系編
第1章 惑星の形状
1.1 球形の惑星
1.1.1 球対称の万有引力
1.1.2 惑星内部の圧力と流動性
1.1.3 自転による扁平
1.2 惑星形状のモデル
1.2.1 等ポテンシャル面
1.2.2 遠心力ポテンシャル
1.2.3 等重力ポテンシャル面
1.2.4 回転楕円体による近似
1.3 回転楕円体モデルの検証
1.3.1 モデル値と観測値との比較
1.3.2 剛体と流体との中間的形状
Teatime でこぼこの彗星
第2章 惑星の重力圏
2.1 静的な重力圏
2.1.1 太陽-惑星間の引力のつりあい
2.1.2 つりあいの外にある月
2.1.3 太陽の周りを回る月
2.2 動的な重力圏
2.2.1 公転運動の角速度
2.2.2 動的な重力圏:ヒル圏
2.2.3 作用圏
2.3 惑星軌道上の力学的平衡点:ラグランジュ点
2.3.1 太陽系の巨大正三角形
2.3.2 ラグランジュ点L4、L5
2.3.3 ラグランジュ点の安定性・不安定性
Teatime 流星群
第3章 惑星の大気
3.1 惑星大気の組成
3.1.1 太陽系惑星の大気組成
3.1.2 二次大気
3.1.3 初期地球の大気
3.2 惑星大気の温度・圧力
3.2.1 放射平衡温度
3.2.2 大気の温室効果
3.2.3 大気の静水圧平衡
3.2.4 地球の標準大気モデル
3.3 大気の大規模流
3.3.1 惑星大気の水平流
3.3.2 水平方向の対流
3.3.3 大気に作用するコリオリ力
Teatime 地球のプラズマ圏
第4章 惑星の磁場
4.1 地球の磁場
4.1.1 現在の地磁気
4.1.2 地球の磁力線
4.1.3 地磁気双極子
4.2 磁気圏
4.2.1 地磁気の到達範囲
4.2.2 太陽風の圧力
4.2.3 オーロラ
4.2.4 惑星の磁気圏
4.3 地磁気の時間変化
4.3.1 地磁気の連続観測
4.3.2 地磁気の記録:岩石の残留磁化
4.3.3 地磁気の逆転
4.4 火星・月の過去の磁場
Teatime 太陽圏
第5章 惑星・衛星に作用する潮汐力
5.1 地球における潮汐
5.2 潮汐力とは何か
5.2.1 天体上の遠心力
5.2.2 引力と遠心力の差
5.2.3 月による潮位変化量
5.3 潮汐力のもたらす現象(1):大潮・小潮
5.4 潮汐力のもたらす現象(2):遠ざかる月、遅くなる地球自転
5.5 潮汐力のもたらす現象(3):地球自転軸の歳差運動
5.5.1 移り変わる北極星
5.5.2 扁平な地球に作用する太陽の潮汐力
5.5.3 歳差運動の回転方向
Teatime 母惑星に同じ面を向ける衛星、分裂する彗星
第6章 地震波で見る地球内部
6.1 地震波の性質
6.1.1 実体波と表面波
6.1.2 応力とひずみの比例則
6.1.3 P波・S波の伝わる速さ
6.2 内部構造で決まる伝播経路
6.2.1 地震波の屈折・反射
6.2.2 地震波伝播の重要な性質
6.3 地震波でわかる地球の内部
6.3.1 地球内部の地震波伝播
6.3.2 地球内部の地震波速度構造
6.3.3 地球内部の密度構造
Teatime 月震学と日震学
第7章 惑星・衛星内部の大構造
7.1 地球内部の大構造
7.1.1 地震波速度の不連続面
7.1.2 岩石の組成変化・相転移
7.1.3 中心核の構造・ダイナミクス
7.2 惑星・衛星ダイナモと深部構造
7.2.1 深部のダイナモ作用
7.2.2 惑星・衛星の深部ダイナミクス
7.3 惑星・衛星の2層構造モデル
7.3.1 2層構造モデル
7.3.2 岩石型惑星・衛星の内部構造
7.3.3 木星のガリレオ衛星
7.4 木星以遠の惑星モデル
Teatime 中心核物質としての鉄隕石
第8章 プレートテクトニクス(1)――プレート運動
8.1 岩板でおおわれる地球
8.1.1 プレート
8.1.2 プレート運動の実測
8.2 プレート運動
8.2.1 プレートの相対運動
8.2.2 相対運動できまる境界
8.2.3 球面上のプレート運動
8.3 プレート運動による大陸移動
8.3.1 流動性にもとづく地球内部の区分
8.3.2 ウェゲナーの大陸移動説
8.3.3 プレートの一部としての大陸
8.3.4 分裂・移動・集合する大陸
Teatime 人工衛星から深海底の地形を測る
第9章 プレートテクトニクス(2)――プレート境界
9.1 プレート境界の地形
9.1.1 発散型境界
9.1.2 平行移動型境界
9.1.3 収束型境界
9.2 さまざまなサイズのプレート
9.3 地質年代スケールのプレート運動
9.3.1 運動方向の推定
9.3.2 速さの推定
9.4 プレート運動の原動力
9.4.1 海底拡大説からプレートテクトニクスへ
9.4.2 引っ張るプレート、引きずられるプレート
Teatime 噴火のない海嶺
第10章 地震活動
10.1 地震とは何か
10.1.1 岩石の破壊
10.1.2 地震のマグニチュード
10.1.3 地震の断層
10.1.4 プレート境界における地震活動
10.2 地震活動の時間変化
10.2.1 本震・余震・前震
10.2.2 誘発地震
10.2.3 地震のくりかえし
10.3 日本列島の地震活動
10.3.1 日本列島周辺のプレート
10.3.2 深い地震
10.3.3 浅い地震
Teatime スロー地震
第11章 火山活動
11.1 火山とは何か
11.1.1 マグマの生成・上昇・噴出
11.1.2 火山の大分類――島弧火山とホットスポット火山
11.1.3 火山噴出物と噴火規模
11.2 島弧火山の形成――プレートの沈み込み
11.2.1 火山フロント
11.2.2 融点降下で生じるマグマ
11.2.3 日本列島の火山
11.3 海洋島火山の形成――ホットスポット
11.3.1 線状の海洋島・海山
11.3.2 マントルプルームで生じるマグマ
11.3.3 ホットスポットとプレート絶対運動
Teatime 火星、金星のホットスポット
第12章 地殻の岩石(1)――火成作用
12.1 地殻の岩石
12.1.1 岩石の生成過程と分類
12.1.2 岩石を構成する元素
12.1.3 地殻を構成する岩石、鉱物
12.2 火成岩
12.2.1 鉱物の大きさ、岩石の色
12.2.2 日本列島の火成岩
12.2.3 元素の分配、結晶分化作用
12.3 海洋底の岩石、大陸の岩石
12.3.1 ゲンブ岩
12.3.2 海洋プレートの地殻
12.3.3 カコウ岩
12.4 月の岩石
12.4.1 白い高地、黒い海
12.4.2 親鉄元素の欠乏
Teatime アポロ計画で持ち帰った月の岩石・土
第13章 地殻の岩石(2)――堆積作用・変成作用
13.1 堆積岩
13.1.1 堆積物から堆積岩へ
13.1.2 堆積環境の復元
13.2 変成岩
13.2.1 2つの変成作用
13.2.2 変成岩の特徴
13.2.3 圧力・温度の指標
13.2.4 日本列島の広域変成作用
13.3 主な地質構造
13.3.1 等時代面としての地層
13.3.2 断層
13.3.3 傾斜・褶曲
13.3.4 付加体
13.4 日本列島の基盤
Teatime 日本海の拡大
第14章 地球の環境変動と生命進化
14.1 生物の分類と進化
14.1.1 ゲノム
14.1.2 生物の大分類
14.1.3 地質年代区分と生物分類
14.2 10億年スケールの変動
14.2.1 初期地球の海洋・大気
14.2.2 微生物の進化
14.2.3 大型生物の出現
14.2.4 10億年スケールの地球生命進化
14.3 1億年スケールの大変動
14.3.1 生物の大進化
14.3.2 大量絶滅
14.3.3 多様化
14.3.4 全球凍結
Teatime エウロパの地下の海、地球外生命の可能性
第15章 太陽系の探査
15.1 人工衛星による科学探査
15.1.1 ミッション
15.1.2 スピン衛星と姿勢制御衛星
15.1.3 ノミナル観測とオプション観測
15.2 人工衛星の軌道
15.3 観測機器の開発
15.3.1 宇宙観測機器への制約
15.3.2 人工衛星への搭載
15.4 人工衛星観測
15.4.1 重力観測
15.4.2 クレータ年代学
Teatime 火星ローバーが発見した堆積岩
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参考図書