基礎有機化学
- タイトル読み
- キソユウキカガク
- 著者ほか
- 高橋吉孝/辻英明・編
- 著者ほか読み
- タカハシヨシタカ/ツジヒデアキ
- シリーズ:
- 栄養科学シリーズNEXTシリーズ
- 発行
- 2010/05/20
- サイズ
- B5判
- ページ数
- 156
- ISBN
- 978-4-06-155357-6
- 定価
- 2,420円(税込)
- 在庫
- 在庫なし
内容紹介
【化学が苦手でも食品学,生化学,基礎栄養学がよくわかるようになる,有機化合物の基本】
私たちの健康を食生活の面から支える専門家としての管理栄養士・栄養士には,食品に含まれる栄養素の知識だけでなく,私たちがそれを摂取するとどのように代謝されて私たちの体をつくり上げていくかを理解することが求められる.私たちの体は,タンパク質,炭水化物,脂質,核酸などから成り立っているが,これらはすべて有機化合物である.すなわち,管理栄養士・栄養士を養成する大学・短期大学,または生活科学系大学・短期大学などの学生は,有機化合物の構造,性質ならびに化学的変化といった有機化学を十分に理解していなければならない.
近年,大学・短期大学には,高等学校で化学を十分学習していない学生なども入学してきている.本書は,このような多様な学習レベルの学生に対応するために,有機化学で学ぶべき課題を基礎的な事柄から複雑な生体構成成分まで幅広く網羅し,わかりやすくかつ体系的に記述するとともに,特に,食品・生体に関連する有機化合物を中心に取り上げて興味をもてるようにしている.
第1章では,有機化合物を構成する原子と分子について学び,有機化学を概観する.次いで,有機化学を体系的に把握するために,第2章では,有機化合物における炭素原子同士の結合を中心にした化学結合を理解し,第3章では,有機化合物に存在する異性体の中でも,特に立体異性を学習して生体構成有機化合物への理解を深める.さらに,第4章では,基本的な有機化合物の構造的な特徴を学び,第5章では,化学反応を学習して有機化合物の化学的変化のしくみを理解する.これらの知識をもとに,第6章,第7章,第8章,第9章および第10章では,それぞれ生体を構成する有機化合物である炭水化物,アミノ酸とタンパク質,脂質,ビタミンおよび核酸の化学構造について学習する.
このように,本書は,生体や食物に含まれる有機化合物のみならず,私たちのまわりに存在している有機化合物をも理解できるようにカバーしている.しかし,不十分な説明のため理解しにくい点があるかもしれない.本書をより充実させるため,読者諸氏の忌憚のないご意見やご指摘を賜ることができれば幸いである.
(まえがきより)
【シリーズ総編集】中坊幸弘/山本茂
【基礎科目担当委員】木戸康博/高橋吉孝/辻英明
【執筆者一覧】伊東秀之/高橋吉孝/辻英明/中島伸佳/山本登志子
目次
基礎編
1.有機化学を学ぶにあたって
1.1 物質を構成する最小粒子
1.2 有機化学の背景
1.3 有機化学の基本的な考え方
1.4 有機化学の役割
2.有機化合物の分類と化学結合
2.1 有機化合物の分類
2.2 有機化合物の化学結合
3.有機化合物の立体化学
3.1 異性体
3.2 旋光性
3.3 鏡像異性体の表記および命名
3.4 複数の不斉炭素を有する異性体
3.5 立体配置と立体配座
3.6 食品成分の立体化学
4.有機化合物の構造による特徴
4.1 炭化水素
4.2 官能基による特徴
5.有機化合物の反応
5.1 酸化・還元
5.2 置換反応
5.3 付加反応
5.4 脱離反応
5.5 その他の反応
生体構成有機化合物編
6.炭水化物
6.1 単糖
6.2 オリゴ糖
6.3 多糖
6.4 糖の誘導体
7.アミノ酸とタンパク質
7.1 アミノ酸
7.2 タンパク質
8.脂質
8.1 脂質とは
8.2 単純脂質
8.3 複合脂質
9.ビタミン
9.1 水溶性ビタミン
9.2 脂溶性ビタミン
10.核酸
10.1 プリンとピリミジン
10.2 ヌクレオシドとヌクレオチド
10.3 核酸の構造
10.4 転写と翻訳
10.5 複製
索引