栄養薬学・薬理学入門
- タイトル読み
- エイヨウヤクガク・ヤクリガクニュウモン
- 著者ほか
- 川添禎浩/古賀信幸・編
- 著者ほか読み
- カワゾエサダヒロ/コガノブユキ
- シリーズ:
- 栄養科学シリーズNEXTシリーズ
- 発行
- 2011/03/30
- サイズ
- B5判
- ページ数
- 191
- ISBN
- 978-4-06-155366-8
- 定価
- 3,080円(税込)
- 在庫
- 在庫なし
内容紹介
臨床栄養で重要度を増す薬の知識.
薬の基本事項から薬と栄養・食事の相互作用,薬物療法までがわかる一冊.臨地実習でも必ず役立つ!
多くの傷病者は薬物療法を受けており,薬を飲んでいると考えられる.しかし,これに加えて栄養状態を管理する食事・栄養療法は,治療効果や予後に対して大きな影響を与える.すなわち,薬物療法と食事・栄養療法は連携によって傷病者に対して治療効果を高め,QOL(生活の質)の向上を目指すことを期待される.
医療・介護制度やチーム医療における管理栄養士は,栄養とともに薬に関する知識が必要である.そのためには,薬とは何か,薬の種類や剤形などの「薬学」を学んでおくこと,また,薬の体内動態,作用と副作用、疾患別の薬の作用など,薬物療法の基礎となる「薬理学」を理解しておくことが重要である.
本書は,管理栄養士を目指す学生,さらには管理栄養士を含めいろいろな分野の薬を学びたい人のための薬学と薬理学の入門書である.内容は,総論として,医薬品の基礎,体内動態,作用と副作用・薬害,食品との相互作用を,各論として最小限理解しておくべき各種医薬品の作用を記載した.特徴としては,薬学系の類書にある薬の化学構造式,薬物速度論,詳細な作用メカニズムなどは記述せず,内容を薬と食べ物の橋渡しになるよう工夫してまとめた.また,薬と食べ物に関するコラムを随所に盛り込んだ.本書が,管理栄養士教育および薬教育において,いくばくかの貢献ができることを願っている.(まえがきより)
【シリーズ総編集】中坊幸弘/山本茂
【シリーズ編集委員】海老原清/加藤秀夫/河田光博/木戸康博/小松龍史/武田英二/辻英明
【執筆者一覧】/有薗幸司/一川暢宏/伊藤貴美子/小野浩重/川添禎浩/古賀信幸/佐田宏子/徳山尚吾/冨山直樹/福島紀子/牧野利明/宮本法子/森雅美
目次
総論
1.医薬品の基礎知識
1.1 薬とは
1.2 薬の種類:医療用医薬品と一般用医薬品
1.3 薬の剤形
1.4 薬の服用
2.医薬品の体内動態
2.1 薬の動態
2.2 薬の吸収
2.3 薬の体内分布
2.4 薬の代謝
2.5 薬の排泄
3.医薬品の作用と副作用,薬害
3.1 薬を使用する目的
3.2 薬はどうして効くのか
3.3 薬の効果に影響をおよぼす要因
3.4 薬の有害作用
3.5 薬害と健康食品による健康被害
4.食品と医薬品に関する相互作用
4.1 食べ物と薬の相互作用:食べ物が薬の効果におよぼす影響
4.2 薬物相互作用
4.3 薬と食べ物の相互作用:薬が栄養状態におよぼす影響
各論
5.栄養を補給する薬
5.1 栄養補給法
5.2 経腸栄養剤
5.3 静脈栄養剤
6.代謝・内分泌に作用する薬
6.1 代謝に作用する薬
6.2 内分泌に作用する薬
6.3 ビタミンを補う薬:ビタミン剤
7.末梢神経系に作用する薬
7.1 自律神経系
7.2 副交感神経に作用する薬
7.3 交感神経に作用する薬
7.4 局所に作用する麻酔薬:局所麻酔薬
8.中枢神経に作用する薬
8.1 精神機能の異常を抑える薬:抗精神病薬
8.2 うつ病を治療する薬:抗うつ薬
8.3 パーキンソン病を治療する薬:パーキンソン病治療薬
8.4 認知症を治療する薬:抗認知症薬
8.5 脳血管障害(脳卒中)を改善する薬:脳循環・脳代謝改善薬
8.6 てんかんの薬:抗てんかん薬
8.7 不安を鎮める薬,睡眠を促す薬:抗不安薬・睡眠薬
8.8 手術で使用される全身麻酔薬:全身麻酔薬
8.9 痛みを強力に抑える薬:麻薬性鎮痛薬
8.10 痛みを強力に抑える薬:非麻薬性鎮痛薬
9.呼吸器に作用する薬
9.1 咳を鎮める薬:鎮咳薬
9.2 呼吸をしやすくする薬:気管支拡張薬・気管支喘息治療薬
9.3 痰をとる薬:去痰薬
10.消化器に作用する薬
10.1 食欲不振・消化不良に使用される薬,吐き気を抑える薬,胃・十二指腸潰瘍を治す薬:健胃消化薬,制吐薬,消化性潰瘍治療薬
10.2 下痢を止める薬,便通をよくする薬,潰瘍性大腸炎を治す薬:止瀉薬,下剤,潰瘍性大腸炎治療薬
10.3 肝炎,胆石症,膵炎を治す薬
11.心臓,血管,血液など循環系の疾患の治療薬
11.1 不整脈を治す薬:抗不整脈薬
11.2 心不全を治す薬:心不全治療薬
11.3 狭心症を治す薬:狭心症治療薬
11.4 血圧を下げる薬:高血圧治療薬
11.5 出血を止める薬:止血薬
11.6 血栓形成を阻止する薬,血栓を溶解する薬:抗血栓薬
11.7 血液成分の産生を促進する薬:造血薬
12.利尿薬,泌尿器に作用する薬
12.1 利尿を起こす薬:利尿薬
12.2 排尿障害を治療する薬:排尿障害治療薬
12.3 前立腺肥大症を治療する薬:前立腺肥大治療薬
13.免疫,アレルギーおよび炎症に関する薬
13.1 自己免疫疾患や臓器移植時の拒絶反応を抑制する薬:免疫抑制薬
13.2 かゆみを抑える薬,アレルギーを抑える薬:抗ヒスタミン薬,抗アレルギー薬
13.3 強い炎症に効く薬:ステロイド性抗炎症薬
13.4 炎症を抑える薬:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
13.5 解熱・鎮痛作用を有する薬:解熱鎮痛薬
13.6 リウマチに使われる薬:抗リウマチ薬
14.細菌,ウイルスなどに作用する薬
14.1 細菌に作用する薬:抗菌薬,抗生物質
14.2 ウイルスに作用する薬:抗ウイルス薬
14.3 病気の予防薬:ワクチン
15.がん治療薬
15.1 がんの形成と薬
15.2 がんに作用する薬:抗がん薬
付録1 医薬品の開発
付録2 医薬品の流通と品質管理
付録3 医薬品に関する情報収集サイト
参考書
索 引