献立作成の基本と実践

著者・編者
発行
サイズ
A4判
ページ数
151
ISBN
978-4-06-155378-1
シリーズ
栄養科学シリーズNEXTシリーズ
価格
2,640 (税込)
教科書該当書籍教科書としてご利用いただけることを想定した書籍です。
書籍在庫無し在庫が無い書籍です。
献立作成の基本と実践

内容紹介

食品構成から献立が立てられるようになる!
個人の栄養指導や給食に必要なライフステージ別、施設別の献立立案から、既存メニューの変更、弁当の商品開発などが習得できる。
管理栄養士・栄養士必須の技術が身につく。


 医学や栄養学の進歩により「ひと」の栄養管理はより複雑,個別化してきた.必要な栄養量についても不足を招かないことを主眼にした「所要量」から生活習慣病の予防や摂り過ぎによる危険も考慮した「食事摂取基準」へと変わり,特に臨床現場では病態別の栄養管理が進歩すると共にチーム医療が重要視されている.
 管理栄養士・栄養士は栄養学を基盤とした「ひと」に対する栄養・食生活のマネージメントを行いQOLの向上に寄与する対人専門職業人である.
 「栄養とは」を省みると「栄養とは,食物を摂取し,消化吸収し,代謝すること」とある.すなわち栄養は食物を摂取する第一段階からスター卜するので食物を摂取しない限り栄養は始まらない.食物は口から取り入れるの通常である.しかし、種々な病態により経口摂取が不可能の場合は,経管による消化器へ直接に栄養素の補給や静脈を使用した栄養素の補給を行うことになる.
 ここで,口から取り入れる栄養素と直接消化管や静脈に入れる栄養素の違いを考える必要がある.大きな違いは「甘味,酸味,塩味,苦味,辛味」の五味や「旨味」などの「美味しさ」にある.経管による経腸栄養に使用する栄養食品(リキッドタイプが多い)も最近,経口で使用されるため味を整えたものが多くなったが,味覚を通常に感じる健常者は決して美味しいとは思わない.
 では,口から取り入れる「栄養素=食べ物」を美味しくするためにはどうすればいいだろう.食べ物は食品をさばき,調整,無毒化し,味をつけ,食べやすくしたもので,そこには美味しさや楽しさ,文化も含んでいる.栄養素の調合を「食べ物」に変える.すなわち食品をさばき調味した料理,料理を一食に組み立てた献立に仕上げる専門職業人が管理栄養士・栄養士である.栄養指導する時でも「栄養素のとり方」を「食材=料理=献立」に変えて指導しているはずである.
 食品・栄養素・食文化の知識を活用し,料理や献立の立て方を知り,自分のスキルとすることが管理栄養士・栄養士へのスタートだと思う.本書はこのような思いで献立の意義や哲学的な要素を含め,実践ですぐに役に立つ教科書(参考書)めざして作成した.管理栄養土・栄養士を目指す学生だけでなく一線で活躍されている管理栄養士・栄養士の皆様にも役立つ一冊だと思われる.
(まえがきより)

【シリーズ総編集】中坊幸弘/山本茂
【実験・実習編担当委員】岡崎眞/片井加奈子/加藤秀夫/桑波田雅士
【執筆者一覧】赤尾正/河原和枝/小谷一子/妹尾良子/藤原政嘉/柵木嘉和/松崎政三/
 百谷由季子/諸岡みどり