応用栄養学 第4版

木戸康博/小倉嘉夫/中坊幸弘・編
シリーズ:
栄養科学シリーズNEXTシリーズ

応用栄養学 第4版

発行
2015/03/09
サイズ
B5判
ページ数
239
ISBN
978-4-06-155380-4
定価
2,860円(税込)
在庫
在庫なし

内容紹介

日本人の食事摂取基準(2015年版準拠).栄養診断を盛り込み,栄養管理を充実させた改訂版.ライフステージ別,特殊栄養も最新の知見を盛り込み,データも更新した.管理栄養士国家試験出題基準,栄養改善学会モデルコアカリキュラム対応.


管理栄養士の業務である「栄養の指導」を体系的に理解するためには,各専門分野の教育担当者が連携し,栄養学の基礎から応用・実践までを統合した教育体系を構築することが必要です.管理栄養士養成施設での「応用栄養学」は,「栄養管理」や「食事摂取基準」などの概念・理論・活用にかかわる総論と,「ライフステージ別栄養学」や特殊な環境における栄養にかかわる各論から構成されています.特に,総論部分は,各専門分野の基礎となるところです.
本書は,2003年刊行の初版,2009年刊行の第2版,2012年刊行の第3版と常に増刷や改訂時にup to dateを心がけてきました.このたび第4版では,「栄養アセスメント」を「栄養評価」と「栄養状態の判定(国際栄養士連盟では栄養診断という)」に分けてその概念および「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の策定理論などの項目について新たに記述し改訂しました.
本書は,3部構成となっています.第1編の「栄養管理と栄養状態の評価・判定」は,本書の総論に相当する部分で,栄養管理の概念,様々な栄養環境への適応,栄養状態の評価・判定,そして科学的な根拠に基づいた栄養素必要量の求め方と「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の概要について記述しています.第2編の「ライフステージ栄養学」は,ライフステージ毎に生理的特徴,栄養の特徴,栄養状態の評価と判定,食事摂取基準,栄養関連疾患,そして栄養管理の実際について記述してあります.第3編の「特殊栄養学」は,生体リズム,運動・スポーツ,ストレス応答,そして特殊な環境における栄養のかかわりとして,高温・低温環境,高圧・低圧環境,無重力環境などを取り上げました.
本書は,栄養学分野のライフステージとライフスタイルに対応する「栄養管理」の考え方と技法が学べるよう編纂しました.(まえがきより抜粋)

【シリーズ総編集】木戸康博/宮本賢一 
【シリーズ編集委員】河田光博/桑波田雅士/郡俊之/塚原丘美/渡邊浩幸 
【執筆者一覧】青井渉/安西正弘/井澤幸子/出口佳奈絵/井上里加子/上西一弘/榎裕美岡田希和子/岡部晋彦/小川亜紀/小倉嘉夫/加藤秀夫/木戸康博/久保田恵/小垂眞
志塚ふじ子/陶山敦子/多賀昌樹/高橋史江/中村亜紀/原田永勝/前田朝美/眞鍋祐之
村上淳/村松陽治/安澤俊紀/山本浩範


目次

第1 編 栄養管理と栄養状態の評価・判定
 1. 栄養管理の考え方
  1.1 栄養管理の概念
  1.2 栄養スクリーニング
  1.3 栄養評価
  1.4 栄養診断(栄養状態の判定)
  1.5 栄養介入
   A. 栄養管理計画の目標設定
   B. 栄養管理計画の実施
  1.6 栄養モニタリングと評価・修正
   A. 栄養管理の評価
   B. 栄養管理の評価のデザイン
  1.7 アウトカム(結果)評価およびその管理
   A. アウトカム(結果)評価
   B. 栄養管理の記録(報告書)とその管理
 2. 栄養管理の進め方
  2.1 栄養スクリーニング
   A. 食物/栄養関連の履歴(FH)
   B. 身体計測(AD)
   C. 生化学データと医学検査(BD)
   D. 栄養に焦点をあてた身体所見(PD)
   E. 既往歴(CH)
  2.2 栄養評価
  2.3 栄養診断
  2.4 栄養介入
   A. 栄養処方
   B. 実施
  2.5 栄養モニタリングと評価
   A. 評価方法
   B. 記録方法
  2.6 アウトカム(結果)管理システム
 3. 栄養環境への適応
  3.1 代謝の統合
  3.2 摂食後の栄養素代謝
   A. エネルギー基質となりうる物質とその由来
  3.3 飢餓時の栄養素代謝
   A. 飢餓と低栄養
   B. 代謝変化
 4. 栄養素必要量の科学的根拠
  4.1 出納法
   A. エネルギー必要量の基本的な考え方
   B. タンパク質必要量の基本的な考え方
   C. その他の栄養素
  4.2 要因加算法
   A. 成人のカルシウム推定平均必要量
   B. 成人の鉄推定平均必要量
  4.3 欠乏実験と飽和量から求める方法
  4.4 その他の方法
   A. 疫学的研究を基に算出する方法
   B. 臓器中の貯蔵量から算出する方法
   C. 血中濃度を基に算出する方法
 5. 食事摂取基準の基礎的理解
  5.1 食事摂取基準の意義
  5.2 食事摂取基準策定の基礎理論
   A. 策定方法
   B. 食事摂取基準を適用する対象
   C. 策定の対象としたエネルギーおよび栄養素
   D. 食事摂取基準の指標に関する基本的事項
   E. 設定指標の概念と特徴
  5.3 食事摂取基準活用の基礎理論
   A. 栄養・食事調査などによるアセスメントの留意点
   B. 活用における基本的留意点
   C. 個人の食事改善を目的とした評価・計画と実施
   D. 集団の食事改善を目的とした評価・計画と実施
   E. 給食管理を目的とした評価と計画の決定

第2 編 ライフステージ栄養学
 6. 成長・発達・加齢
  6.2 成長・発達
   A. 成長・発達の概念
   B. 成長・発達による変化と栄養
  6.3 加齢に伴う身体的・精神的変化と栄養
   A. 加齢と老化
   B. 分子レベルの老化
   C. 高齢者の栄養状態
   D. 高齢者の疾患の特異性
 7. 妊娠期・授乳期の栄養
  7.1 身体状況の変化
   A. 成人女性の体と生理
   B. 妊娠と妊娠母体の変化
   C. 出産と乳汁分泌
   D. 妊娠時の病気
  7.2 妊娠期の栄養状態の評価・判定と栄養管理
   A. 栄養状態の評価
   B. 食事摂取基準
   C. 栄養管理
  7.3 授乳期の栄養状態の評価・判定と栄養管理
   A. 栄養状態の評価・判定
   B. 食事摂取基準
   C. 栄養管理
 8. 乳児期の栄養
  8.1 身体状況の変化
   A. 乳児の成長と発達
  8.2 乳児期の健康障害
   A. 低出生体重児と過体重児
   B. 先天性代謝異常症
   C. 病気になったとき
  8.3 栄養状態の評価と判定
   A. 発育状態と栄養評価
  8.4 食事摂取基準
   A. エネルギー
   B. タンパク質
   C. 脂質
   D. 糖質(炭水化物)
   E. 無機質
   F. ビタミン
   G. 水分
  8.5 栄養管理
   A. 栄養補給法
   B. 離乳食
 9. 幼児期の栄養
  9.1 身体状況の変化
   A. 身体発育
  9.2 栄養状態の変化
  9.3 栄養状態の評価と判定
  9.4 栄養素必要量と摂取安全域の考え方
   A. 食事摂取基準
   B. 幼児期の食生活
  9.5 栄養管理
 10. 学童期の栄養
  10.1 身体状況の変化
   A. 身体の成長・発達
  10.2 栄養状態の変化
   A. 食習慣の変化と生活習慣の変化
  10.3 栄養状態の評価と判定
  10.4 栄養素必要量と摂取安全域の考え方
  10.5 栄養管理
   A. 学校給食
   B. 栄養障害
 11. 思春期の栄養
  11.1 身体状況の変化
   A. 思春期の身体発育
  11.2 栄養状態の変化
  11.3 栄養状態の評価と判定
  11.4 栄養素必要量と摂取安全域の考え方
   A. エネルギー
   B. タンパク質
   C. 脂質
   D. 炭水化物
   E. ビタミン
   F. ミネラル
  11.5 栄養管理
   A. やせ願望とダイエット
   B. 摂食障害
   C. 貧血
   D. 朝食の欠食,外食および間食
   E. 運動と栄養
 12. 成人期・更年期の栄養
  12.1 身体状況の変化
   A. 成人期の身体機能の変化
   B. 更年期の身体機能の変化
  12.2 栄養状態の変化
   A. 成人期の食事摂取基準
   B. 成人期の栄養摂取状況
  12.3 栄養状態の評価と判定
  12.4 栄養素必要量と摂取安全域の考え方
   A. 摂取安全域の考え方
   B. 栄養素の耐容上限量と生活習慣病予防
  12.5 生活習慣病のリスク
   A. 生活習慣病の危険因子と疾病の関連
   B. 生活習慣病の発症頻度
  12.6 栄養管理
 13. 高齢期の栄養
  13.1 身体状況の変化
   A. 身体構成成分の変化
   B. 身体的特徴
  13.2 栄養状態の変化
   A. 加齢による代謝機能の変化
   B. フレイルティ・サイクル
  13.3 栄養状態の評価と判定
  13.4 食事摂取基準と摂取安全域の考え方
   A. エネルギー
   B. タンパク質
   C. 脂質
   D. ビタミン
   E. 銅
  13.5 栄養管理
   A. 高齢者の栄養欠乏の特徴
   B. 高齢者の低栄養の要因

第3 編 特殊栄養学
 14. 生体リズムと栄養
  14.1 生体リズムとは
   A. 日内リズム(サーカディアンリズム)
   B. 週内リズム
   C. 月周リズム
   D. 季節リズム
   E. 90 分リズム
  14.2 内分泌・代謝リズム
   A. 副腎皮質ホルモンの日内リズム
   B. 血糖調節の日内リズム
   C. 食塩摂取と日内リズム
   D. 免疫と日内リズム
   E. スポーツ・運動と日内リズム
  14.3 生活リズムと生体リズム
   A. 夜勤交代制勤務の疲労軽減には
   B. 海外旅行と時差ぼけ
 15. 運動・スポーツと栄養
  15.1 運動時の生体応答とエネルギー代謝
   A. エネルギー代謝量測定の意義
   B. エネルギー代謝量の測定法
  15.2 健康づくりのための身体活動・運動
   A. 身体活動・運動と疾病リスク
   B. わが国における健康づくりのための運動・身体活動基準
   C. 有酸素運動とレジスタンス運動
   D. 健康づくりのための身体活動基準2013
  15.3 スポーツと栄養
   A. 水
   B. 糖質
   C. タンパク質
   D. その他の微量栄養素
   E. サプリメント活用の有用性
 16. ストレス応答と栄養
  16.1 ストレスとは
  16.2 ストレスに対する生体の反応
   A. 汎適応症候群:ストレス学説
  16.3 ストレスと病気
  16.4 ストレスに対する細胞レベルの反応
  16.5 酸化ストレス
  16.6 ストレスと栄養
 17. 高温・低温環境と栄養
  17.1 体温調節
   A. 体温
   B. 体温調節のメカニズム
  17.2 高温環境と栄養
   A. 暑熱順化
   B. 暑熱による疾患と防御
  17.3 低温環境と栄養
   A. 寒冷順化
   B. 寒冷による疾患と防御
 18. 高圧・低圧環境と栄養
  18.1 高圧(潜水)環境と栄養
   A. 潜水方法と呼吸生理
   B. 高圧ガスと呼吸生理
  18.2 低圧環境と栄養
   A. 低圧環境と低酸素症
   B. 高所順化
   C. 高山病
   D. 低圧環境と栄養
 19. 無重力環境と栄養
  19.1 無重力と健康障害
   A. 体組織の減少
   B. 循環機能の障害
   C. 筋萎縮
   D. 宇宙酔い
   E. その他
  19.2 無重力と栄養

付録  日本人の食事摂取基準(2015 年版)