公衆栄養学 第5版

著者・編者
発行
サイズ
B5判
ページ数
217
ISBN
978-4-06-155382-8
シリーズ
栄養科学シリーズNEXTシリーズ
価格
3,080 (税込)
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公衆栄養学 第5版

内容紹介

健康日本21(第二次)の公衆栄養プログラムや,特定保健指導の現状など最新データに基づき改訂.食事摂取基準2015準拠.


日本人の平均寿命は男女とも80歳を超え世界でもトップクラスに位置し,また,疾患別年齢調整死亡率の推移をみても全体として低下傾向を示しており,世界でも有数の健康な国である.一方,国民医療費はここ最近毎年1兆円ずつ増加し, 平成21 年には国民所得に対する比率が10% を超え, 平成24 年には11.17%と国家財政を逼ひっぱく迫 している.国民医療費が増加する要因の一つとして,少子高齢化があげられる.編者らの学生時代と現在の社会情勢はさほど変化をしていないと思っていたが,65歳以上の高齢人口の割合は,ここ20年で10%ほど増加し25.1%となっていた.将来推計人口によると平成72年には,国民の4割が65歳以上の高齢者に該当するとしている.少子高齢化が進む中,医療を必要としない健康な状態でいられる期間をできるだけ延長することが国民医療費や個々人の健康を考えるうえでとりわけ重要な課題といえる.健康状態はさまざまな要因によって規定されているが,栄養とのかかわりは大きい.適切なエネルギーを摂取して,適度な運動を行うことで肥満症は予防できるが,現実の肥満者の割合を見てみると体重管理がうまくいっていないことがうかがえる.栄養や運動の重要性がわかっていても行動変容まで行き着くことが困難であることを示すよい例である.食の専門家である管理栄養士・栄養士は,疾患の一次予防のために,集団レベルで食生活における問題点を抽出し,その問題解決のために食環境を含めた総合的かつ横断的な計画・施策を立案し実施する能力,そしてその実施計画に対して適切な評価を行える能力が求められている.
今回の改訂では,これまでのNEXTシリーズの編集方針をふまえつつ「管理栄養士国家試験出題基準」に十分に対応した内容とした.栄養学の実態把握や改善効果の評価のためには統計は必須である.本書では,公衆栄養学分野でどのような統計を使うかについての基礎知識を,例題を用い平易に解説した.また,ライフステージに応じた公衆栄養プログラムに関する行政制度を解説するとともにPDCA(plan, do, check, act)サイクルに則した事例を提示し,管理栄養士・栄養士がこれら事業に対して役立てることができるように工夫している.栄養改善のプロとして活躍する管理栄養士・栄養士の基礎づくりに本書が貢献できれば,編者としてこの上ない喜びである.(まえがきより)

【シリーズ総編集】木戸康博/宮本賢一
【シリーズ編集委員】河田光博/桑波田雅士/郡俊之/塚原丘美/渡邊浩幸 
【執筆者一覧】市川知美/岩橋明子/岡本尚子/岡本美紀/加藤亮/國井大輔/幸林友男
郡俊之/後藤淳平/小西香苗/近藤順子/近藤真紀/坂井堅太郎/酒井徹/猿倉薫子/鹿内彩子/首藤恵泉/妻木陽子/德野裕子/巴美樹/中本真理子/中森正代/平山志ほり/福村智恵/古川曜子/松尾知恵/矢澤彩香/山本茂