食べ物と健康,食品と衛生 食品学総論 第3版
- タイトル読み
- タベモノトケンコウ,ショクヒントエイセイ ショクヒンガクソウロン ダイサンパン
- 著者ほか
- 辻英明/海老原清/渡邊浩幸/竹内弘幸・編
- 著者ほか読み
- ツジヒデアキ/エビハラキヨシ/ワタナベヒロユキ/タケウチヒロユキ
- シリーズ:
- 栄養科学シリーズNEXTシリーズ
- 発行
- 2016/03/23
- サイズ
- B5
- ページ数
- 175
- ISBN
- 978-4-06-155386-6
- 定価
- 2,860円(税込)
- 在庫
- 在庫なし
内容紹介
日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠。献立作成に食品成分表を活かせない学生のために成分表の活用を充実させた。また、化学を苦手と感じる学生のために化学の基礎知識をさりげなく盛り込みながら、わかりやすい記述とした。管理栄養士国家試験や栄養士実力認定試験に対応。
2001年1月に五訂日本食品標準成分表が公表されたのに伴い,栄養科学シリーズNEXT「食品学総論」の初版が刊行された.その後,食の安全性が大きな社会問題となり,保健機能食品制度の制定,食品安全基本法の施行,五訂増補日本食品成分表の公表,特定保健用食品の見直しなど,食と健康に関する法律の整備や制度の見直しが行われた.また,健康増進法が2001年4月に施行されるとともに,管理栄養士養成のカリキュラムの改正も行われ,この改正に伴って,食品学に関連する科目は「食べ物と健康」に統合された.こうした状況を受けて,2007年6月,特に大きく進展した食品の機能性に関する内容ならびに上述の食と健康に関する法律の制定や制度について大幅に修正し,第2版を刊行した.
第2版刊行後,食品表示については,従来食品衛生法,JAS法,健康増進法により規制されていた制度が見直され,3つの制度を統合して,食品の表示に関する包括的かつ一元的な食品表示法が創設され,2015年4月に施行された.また,5年ごとに公表される食品成分表についても,2010年11月に「日本食品標準成分表2010」が公表され,続いて,2015年12月に,15年ぶりに大幅に食品収載数が増加し,「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」が公表された.特に,同時に公表され,七訂版を補完する「アミノ酸成分表編」,「脂肪酸成分表編」食品収載数大きく増加・充実するとともに,「炭水化物表編」も新設され,これらの三大栄養成分の実体はこれまでより正確に把握されるようになっている.
本書第3版においては,執筆陣を再編し,上述のように食品学を取り巻く環境が大きく変化したのを踏まえて,食品表示制度および食品成分表について大幅に修正・書き直しを行い,他章についても,内容を詳細に再吟味して追加・削除および内容一新を行うとともに,わかりやすくかつ平易に記述した.このように,第3版では,その内容がより充実し,読みやすくなっており,本書が栄養士や管理栄養士養成施設において教科書として活用されることを願っている.(まえがきより)
【シリーズ総編集】木戸康博/宮本賢一
【シリーズ編集委員】河田光博/桑波田雅士/郡俊之/塚原丘美/渡邊浩幸/
【執筆者一覧】池田清和/石見佳子/海老原清/岡田 希和子/金谷建一郎/木本眞順美/小築康弘/瀧本秀美/竹内 弘幸/辻英明/寺尾純二/新田陽子/細谷 圭助/増田晃子/増田俊哉/室田佳恵子/森山達哉/山西倫太郎/渡邊浩幸/渡邉文雄
目次
1. 序論
1.1 食品とは
1.2 食品学の役割
1.3 食料自給率
1.4 食料と環境
2. 食品の分類
2.1 食品の分類方法
A. 原料の起源や生産様式による分類
B. 主要栄養素による分類
C. 食習慣による分類
D. その他の分類方式
3. 食品成分表
3.1 食品成分表の変遷
A. 日本食品標準成分表
B. アミノ酸成分表編
C. 脂肪酸成分表編
D. 炭水化物成分表編
3.2 日本食品標準成分表2015 年版(七訂)の内容と特徴
A. 構成
B. 収載食品
C. 食品群の分類と配列
D. 食品の分類・配列と食品番号
E. 食品名
F. 項目とその配列
G. 成分値および記号
H. 社会のニーズへの対応
3.3 食品成分表の分析方法
A. 水分
B. タンパク質
C. 脂質
D. 炭水化物
E. 灰分
F. 食物繊維
G. 無機質
H. ビタミン
I. 食塩相当量
3.4 エネルギー値の算定法
3.5 食品成分表の使い方
3.6 食品成分表利用上の注意すべき事項
A. 成分値は食べられる部分の値
B. 「生」と「ゆで」で栄養成分は変わる
C. 「 国産牛」を使った場合は,成分表の「和牛肉」ではなく,一般的に「乳用肥育牛肉」の値を用いる
D. 豚肉は一般に「大型種肉」の値を用いる
E. 鶏肉は「若鶏肉」の値を用いる
F. 豚かつ用肉などの脂身を取り除いた場合,肉の種類や部位に関係なく,
厚みある脂肪を取り除いたものは,「皮下脂肪なし」の値を用いる
G. お茶は「浸出液」の値を用いる
H. 食品成分表に掲載されていない食品
4. 食品成分
4.1 水分
A. 水の性質
B. 水の生理学的性質
C. 食品中の水分の測定方法
D. 食品中の水─自由水・結合水と水分活性
E. 食品の保存・加工と水分活性
F. 食品の冷凍・冷蔵と水
G. 水のおいしさ
4.2 タンパク質
A. アミノ酸
B. ペプチド
C. タンパク質
D. 食品に関係の深い酵素
4.3 炭水化物
A. 単糖類
B. オリゴ糖(少糖)類
C. 誘導糖質
D. 多糖類
E. 繊維と食物繊維との違い
4.4 脂質
A. 脂質の種類と構造
B. 脂質の性質
C. 脂質の生理作用
4.5 ビタミン
A. ビタミンの発見
B. 脂溶性ビタミン
C. 水溶性ビタミン
D. 各種ビタミンの加工・調理における安定性
E. 栄養強調表示
F. 栄養機能食品
4.6 無機質
A. 無機質とは
B. 無機質とその機能
C. おもな無機質の摂取量と給源
4.7 嗜好成分および有害成分
A. 色素成分
B. 呈味成分
C. におい成分
D. 嗜好に関するその他の要因
E. 有害成分
5. 食品物性と官能評価
5.1 食品物性
A. 食品の物性とは
B. コロイドとは
C. レオロジーとは
D. テクスチャーとは
5.2 官能評価
A. 官能評価とは
B. 官能評価の方法と結果の評価
6. 食品成分間反応
6.1 酸化
A. 酸素分子とフリーラジカル
B. 脂質の自動酸化
C. 光増感酸化反応
D. 酸化生成物の反応性
E. 油脂の酸化に関与する因子とその防止
F. 抗酸化剤(酸化防止剤)の種類とメカニズム
G. タンパク質のジスルフィド結合形成
6.2 加熱変化
A. 油脂の加熱劣化
B. タンパク質の加熱変化
6.3 糖・デンプンの加熱変化
6.4 酵素反応
A. リポキシゲナーゼ
B. 酵素的褐変反応
C. プロテアーゼ
D. その他の酵素
6.5 成分間反応
A. アミノカルボニル反応
B. 亜硝酸塩の反応
C. ニトロソアミンの生成
7. 食品の機能性
7.1 三次機能に関与する生体調節因子
7.2 機能性表示が可能な食品
A. 特定保健用食品
B. 栄養機能食品
C. 機能性表示食品
7.3 食品の機能性成分とその働き
A. 酵素阻害作用を示す成分
B. 脂質代謝に作用し,循環器系に働く成分
C. ミネラルの吸収を高める成分
D. 消化されにくく,おもに消化管腔内で機能を示す成分
E. 神経系に作用する成分
F. 免疫機能を活性化して免疫系に作用する成分
G. 抗酸化作用を示す成分
H. 腸内フローラ(腸内細菌叢)改善
8. バイオテクノロジーと新しい食品
8.1 バイオテクノロジーとは何か
A. 遺伝子を操作する技術
B. 細胞を操作する技術
C. その他の技術
8.2 バイオテクノロジーによりつくられた新食品
8.3 新食品の安全性
参考書
索 引