治験の統計解析

理論とSAS®による実践

著者・編者
発行
サイズ
B5変形判
ページ数
533
ISBN
978-4-06-155777-2
価格
10,450 (税込)
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治験の統計解析 理論とSAS®による実践

内容紹介

(本書「監訳者より」から抜粋)
日本で医療に関わる研究者の方々,臨床医の方々,医薬品開発および治験に携わる方々に是非読んで頂きたいと思い,この翻訳を行った.
原著は医薬品開発の統計学的実践をリードしている方々によって書かれている.

本書の内容は,医学誌を読む際に必要となる統計手法を解析事例と共に分かりやすく解説している.

医学データで共変量による調整はどのように行うのか.
臨床試験での中間解析は具体的にどう行うのか.
多重比較,生存時間型データの層結合解析はどのように行うのか.
得られた安全性データから基準範囲をどのように設定するのか.
欠測データはどのように扱ったらよいのか,多重比較のデザイン等,実際の臨床データを扱う際に出会う重要な問題がとりあげられている.

医薬品の開発で忘れてならぬことは安全性である.
これに関係する問題は第3 章でとりあげられている.
とくにQTc データの解析はただ比較検定をすればよいというものではない.
この章の事例解析は読者に感動を生むはずである.
なお,本書は,SAS システム リリース9.1.3(日本語)からの出力を基礎にしている.

本書の内容で不明な箇所は,塩野義製薬(株)医薬開発本部解析センターの皆さんとdiscussion を何度も行って,内容を正しく翻訳するように努めた.
翻訳にあたり,科学的な誤りのないように努めたが,本書は大部であるため,誤りの箇所が残っている可能性もある.それは一意に監訳者の責任である.
お気づき点があればご遠慮なく,ご指摘頂きたい.

監訳者のひとりが大学院生の時,北大で日本癌学会が開かれた.
そこで「癌で亡くなる人も多い,しかし癌で食っている人間も多い,癌に恥ずかしくない研究をしなければいけない.」との厳しい話があった.
医療に関わる仕事をする限りは、病に恥ずかしくない仕事をしたいと思う.
医学は着実に進歩,発展しているが,一方,解決できていない,
また新たな多くの医学上,臨床上の問題が存在している.
今後の高齢化社会,医療の社会的重要性を考えるとき,真に客観的な臨床データに根ざした科学的アプローチの必要性,そして医療の科学的な評価の重要性が考えられる.

本書が,治験そして医学,臨床研究に少しでも役に立ち,日本の医療に役立つことを念じてやまない.