微分積分学の史的展開

 ライプニッツから高木貞治まで

著者・編者
発行
サイズ
A5判
ページ数
283
ISBN
978-4-06-156541-8
価格
4,950 (税込)
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微分積分学の史的展開  ライプニッツから高木貞治まで

内容紹介

微分積分学の長い歴史は,西欧近代の数学史と軌を一にする.
そこでは,微分と積分が「曲線」を媒介項としてつながってきた.
天才数学者たちの情熱がやがて現代数学へ変容するまでを,精緻に描く快著.

〈本書「序文」より〉
本書のテーマは微分積分学の形成史の叙述である.......微積分の変容過程は,以下のように大きく三つの時期に分かれる.

 第1期 ロピタルまで(曲線の理論の時代.本書第1, 2, 3, 4章)
 第2期 オイラーの時代(曲線から関数への移行期.本書第8, 9, 10章)
 第3期 コーシー以降(関数の理論の時代.本書第5, 6, 7章)

数学者たちの名を挙げると,黎明期を代表するのはデカルトとフェルマ,それにライプニッツ.この時期にはまだ今日の微積分に見られるような関数の概念は存在しない.微分と積分の対象は関数ではなく,今日のように関数の諸性質の探究がめざされていたわけではない.それならデカルトやフェルマやライプニッツは何に関心を寄せていたのかというと,「曲線」である.この点が本書を読む上での最大のポイントになる.曲線の諸性質の探究の中から生まれたのが微積分である.......曲線の理論の華やかな世界を観賞し,曲線の理論が変容を重ねて関数の理論へと姿を変えていく様相をつぶさに観察してほしい.