パターン形成の数理/技術者のための微分幾何入門

模様や形を見る・つくる

著者・編者
発行
サイズ
A5判
ページ数
126
ISBN
978-4-06-157803-6
価格
2,640 (税込)
書籍在庫無し在庫が無い書籍です。
パターン形成の数理/技術者のための微分幾何入門 模様や形を見る・つくる

内容紹介

本書では「模様や形を見る・つくる」として,「パターン形成の数理」と「技術者のための微分幾何」の2 テーマを取り上げる.これらは,平たくいえば「模様の科学」と「形の技術」について,それぞれ微分方程式と微分幾何学を通して紹介するものである.前者は模様や形の形成を科学し,数理モデルを構成し,検証のための数値シミュレーションを行い,自然界に見られるさまざまな模様を再現する技術を提供する.微分方程式の理論的研究がその支柱にある.
大学理工系で学ばれた,あるいは学ばれている方ならば,微分方程式が自然の記述に不可欠であることは,おそらく日頃から肌で感じられているだろう.ところが“微分幾何”となると,およそ理学部の数学系の学科で学んだ方でないと,それがどのような学問なのか想像し難いかもしれない.微分幾何学とは一般に,曲がった空間や曲面などを研究する分野である.それはアインシュタインの相対性理論の展開の基礎となったことでも有名である.そのような幾何学であるが,現在では,建築(美的・実際的観点からの屋根の形状の選択),医療(画像診断),ものづくり(設計から試作なしでの製造まで),ゲームソフトの開発,データマイニングなど,社会において欠かすことができない可視化(visualization) の技術を支える数学となっている.
前者は自然のモデル化とシミュレーションを通しその核心を捉えるための数学技術である.後者の技術を使えば,複雑な式で定義されながらも美しい曲面を手にすることができよう.
ともに楽しんでいただけることを願っている.(本書 第0章より)