偏微分方程式から数値シミュレーションへ/計算の信頼性評価

数値解析の新たな切り口

著者・編者
発行
サイズ
A5判
ページ数
126
ISBN
978-4-06-157805-0
価格
2,640 (税込)
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偏微分方程式から数値シミュレーションへ/計算の信頼性評価 数値解析の新たな切り口

内容紹介

現象に対し数学モデルを作り,シミュレーションを行うことの意義は何なのか.私たちには,実験などで発見・観察された現象を自然法則に基づき説明したいという強い動機がある.そのために最初にすべきことは,その数学モデルが現実の実験・観察結果と符合しているかどうかの確認である.これは,数値シミュレーションによって行う.その際,モデルの検証と同時に,シミュレーションの信頼性に対する心配りを忘れてはならない.それができたとしよう.ここからが大切である.数学モデルとその数値シミュレーションを用い,実験では実現不可能な状況さえも想定し,その場合に生じるであろう現象の予測を行い,新しい技術開発に利用するのである.信頼に足るシミュレーションは,実験が現実には困難な場合にも,確実な予想が行えるというはかり知れない利点をもつ.技術開発の現場でのコスト削減に決定的な影響を及ぼすばかりか,それなくして新技術の革新的な開発はおぼつかないであろう.
本書では,飛躍的な性能向上をみた今日の計算機を駆使する数値解析の新しい切り口を提供する.とりあげたテーマは「偏微分方程式から数値シミュレーションへ」と「計算の信頼性評価」である.自然は数学語で書かれているとはガリレオの言葉である.書かれた数学モデルを,前者は,すぐれた近似計算法を展開しとらえようとするものであり,後者では誤差の理論的把握と,さらには(従来の解析的手段では存在が示せていない)解の数値的存在証明を実現する. (本書 第0章より)