〈絶望〉の生態学 軟弱なサルはいかにして最悪の「死神」になったか
- タイトル読み
- ぜつぼうのせいたいがく なんじゃくなさるはいかにしてさいあくの「しにがみ」になったか
- 著者ほか
- 山田俊弘・著
- 著者ほか読み
- やまだとしひろ
- 発行
- 2023/04/25
- サイズ
- 四六
- ページ数
- 288
- ISBN
- 978-4-06-531133-2
- 定価
- 2,420円(税込)
- 在庫
- 在庫あり
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内容紹介
人間は、意図せず大量絶滅を引き起こそうとしている。
その絶望的状況が明らかになってきた。
生物多様性の喪失と大量絶滅の先に、希望はあるか?
絶望的な未来を回避する術はあるか?
――その答えは生態学が教えてくれる。
目次
【目次】
序章 環境問題の元凶は人口増加か?
序‐1 宇宙船地球号――乗組員が消えていく
序‐2 人類が踏みつけた土地
序‐3 危険な思想――増えすぎた命は減らすしかない!?
第1章 環境問題の構造――‶共有地の悲劇〟は回避できない!?
1‐1 共有地の悲劇とは――合理的な行動が招く大問題
1‐2 人口増加が引き起こす問題を探る
1‐3 人口増加を止める方法――出産の自由は制限可能か?
1‐4 ハーディンが見落としたもの――悲劇を回避する
第2章 4000倍 vs. 6分の1――生物多様性の不都合な真実
2‐1 小集団から膨れ上がったヒト
2‐2 ヒトとともに増えた種、減った種
2‐3 100万種の絶滅危惧種
2‐4 第6の大量絶滅
第3章 4つの禍い――巨大隕石を凌駕する人間活動の中身とは?
3‐1 禍いをもたらす4つの脅威
3‐2 故郷を奪われた生き物たち――生息地の破壊
3‐3 賢明ではない生物利用――乱獲
3‐4 ‶よそもの〟がもたらすもの――外来生物
3‐5 お寒いのがお好き――気候変動
3‐6 脅威はひとつとは限らない
第4章 マンモスが絶滅した理由――どんな種が人間活動の影響を受けやすいのか?
4‐1 ヒトとの軋轢
4‐2 不都合な進化
4‐3 読み間違えたシナリオ――生物多様性喪失の末路
第5章 メスだけになったキタシロサイ――個体数の少ない集団は絶滅しやすいのか?
5‐1 生物多様性を定義する――種内・種間・生態系
5‐2 個体数は多いほうがよい?――アリー効果
5‐3 メスだけになったキタシロサイ
5‐4 たったひとつの感染症で全滅しかけたチーター
5‐5 ひなが生まれにくくなったソウゲンライチョウ
5‐6 よそから連れてくればいい?――再導入のジレンマ
5‐7 平等な個体数減少――その影響は不平等
第6章 ラッコが消えれば海も死ぬ――生物多様性が減少すると生態系はどうなるのか?
6‐1 だれも一人では生きられない――つながり合う命
6‐2 生物多様性は高いほどよい?――生態学者の予想
6‐3 多少絶滅してもかまわない?――リベット仮説と冗長性仮説
6‐4 たった一種の絶滅が招く生態系の崩壊
終章 絶望するしかないのか?