入門 現代の相対性理論 電磁気学の定式化からのアプローチ

山本昇・著

入門  現代の相対性理論 電磁気学の定式化からのアプローチ

発行
2024/09/04
サイズ
A5
ページ数
208
ISBN
978-4-06-537036-0
定価
3,300円(税込)
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内容紹介

マクスウェル方程式からの論理的な繋がりを意識した記述により、現代的な特殊相対論の枠組みを「電磁気の共変形式」を軸に構成する。理解を深める物理パラドックスについても解説。Pythonによる演習も盛り込んだ。

目次

第1章 この本の概要
1.1 マクスウェル方程式と特殊相対性理論

第2章 古典電磁気学とマクスウェル方程式
2.1 マクスウェル方程式の物理的意味
2.2 マクスウェル方程式:電磁波の予言

第3章 マクスウェル方程式から特殊相対性理論へ
3.1 ニュートンの運動方程式とガリレイの相対性原理
3.2 アインシュタインの特殊相対性原理

第4章 光速度不変の原理とその物理的意味
4.1 光速度不変の原理の確認
4.2 同時の相対性とローレンツ収縮
4.3 特殊相対性理論での時計の遅れ
4.4 速度の合成

第5章 ミンコフスキー空間
5.1 ミンコフスキー空間と4次元座標
5.2 ミンコフスキー空間とローレンツ変換

第6章 マクスウェル方程式の共変性
6.1 スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャル
6.2 試験電荷が電流から受ける力

第7章 電場・磁場の変換規則
7.1 復習:ローレンツ共変形式のマクスウェル方程式
7.2 電荷の分布と電流の関係
7.3 電磁場テンソルの変換規則
7.4 移動する荷電粒子の作る電磁場
7.5 互いに逆方向に走る逆符号の電荷を持つ点電荷の作る電磁場
7.6 完全反対称テンソル
7.7 物質中でのマクスウェル方程式
7.8 エネルギー・運動量テンソル
7.9 エネルギー・運動量の保存則

第8章 物質中の電磁場とマクスウェル方程式
8.1 導体と誘電体、磁性体
8.2 物質中のマクスウェル方程式
8.3 等速運動する物質中の電場/磁場の変換則

第9章 特殊相対論の実験的検証
9.1 フィゾーの実験と速度の合成則
9.2 横ドップラー効果と時計の遅れ
9.3 マイケルソン‐モーレー実験

第10章 相対性力学
10.1 速度と4次元速度
10.2 相対論的運動方程式
10.3 ローレンツ力

第11章 電磁場のゲージ変換とゲージ不変性
11.1 ゲージ変換
11.2 4次元波数ベクトルの導入と相対論的ドップラー効果

第12章 変分原理と解析力学
12.1 変分原理を使った運動方程式の表現
12.2 ラグランジュ形式と最小作用の原理
12.3 ラグランジアンとネーターの定理
12.4 ハミルトン形式とハミルトニアン
12.5 ルジャンドル変換とハミルトニアン
12.6 ポアソンの括弧式

第13章 電磁場と変分原理
13.1 電磁場のエネルギー・運動量テンソル
13.2 電磁場の正準形式
13.3 ラグランジアンとゲージ条件
13.4 ルジャンドル変換

第14章 運動する点電荷の作る電磁場:リエナール‐ウィーヘルトポテンシャル
14.1 グリーン関数
14.2 ゲージ条件の確認
14.3 グリーン関数を用いたリエナール‐ウィーヘルトポテンシャルの導出
14.4 リエナール‐ウィーヘルトポテンシャルの物理的意味
14.5 一様速度で動く点電荷の作るポテンシャル

第15章 特殊相対性理論の理解を深める
15.1 双子のパラドックス(ランジュバンの旅行者)
15.2 棒と穴のパラドックス

付録
A ベクトル演算の公式
B SageManifold/SageMath
C 練習課題