学芸員をめざす人のためのスタンダードなカラー教科書。
第1章 博物館展示総論
1.1 博物館における展示の役割
1.1.1 展示は博物館を特徴づけるものか?
1.1.2 博物館は何を展示するか
1.1.3 博物館展示と教育
1.2 博物館展示の政治性・社会性
1.2.1 博物館展示をめぐる政治性
1.2.2 博物館展示の社会性
1.3 博物館展示の制約と限界
1.3.1 博物館展示の制約
1.3.2 展示の限界、博物館の限界
1.4 地域社会と向き合う展示
1.4.1 博物館法における展示の位置づけと今後の方向性
1.4.2 展示でつながる博物館
1.4.3 地域に溶け込む博物館づくり
第2章 博物館展示の理論
2.1 日本における展示の歴史
2.1.1 古代から中世―政治と宗教に結びついた展示、権力誇示のための展示
2.1.2 戦乱の世から近世―商品経済の発展とディスプレイの進展
2.1.3 近代―今日の博物館展示の発展
2.1.4 バーチャルな展示
2.2 展示の諸類型
2.2.1 伝達形式による類型
2.2.2 展示場所による類型
2.2.3 展示期間による類型
2.2.4 展示する形態による類型
2.2.5 実物資料の扱い方による類型
2.2.6 展示意図による類型
2.2.7 動線上の展示の仕方による類型
2.2.8 資料配列の仕方による類型
2.2.9 移動展示の類型
2.2.10 他施設との連携や結合による類型
2.3 博物館展示による癒し―博物館浴(Museum Bathing)
2.3.1 芸術に親しむ機会が多いと長生きする
2.3.2 展示鑑賞はストレス軽減に役立つ
2.3.3 「博物館浴」研究は新たな価値創造につながる
2.4 博物館展示と関連法令等
2.4.1 人と展示資料の保護
2.4.2 展示資料にまつわる権利の保護
2.4.3 来場者による展示資料の撮影
第3章 博物館展示の技術
3.1 展示のプロセス―企画から終了まで
3.1.1 企画段階
3.1.2 実施段階
3.1.3 終了段階
3.2 動線計画
3.2.1 動線とは何か
3.2.2 ゾーニング(zoning)
3.2.3 展示動線の実際
3.3 展示環境の管理
3.3.1 展示環境の管理の目的
3.3.2 展示環境の管理の前提
3.3.3 資料を傷める要因の管理
3.3.4 展示準備から終了までの展示環境の管理
3.4 照明
3.4.1 光と物の見え方―色・質感・陰影
3.4.2 展示手法と照明器具
3.4.3 展示計画と光の計画
3.4.4 ライティングの実際
3.5 展示ケース
3.5.1 展示ケースの役割
3.5.2 展示ケースの種類
3.5.3 展示ケース内の空気の質
3.5.4 展示ケースの有害ガス対応
3.5.5 展示ケースの照明
3.5.6 展示ケースの資料列品とメンテナンス作業
3.5.7 展示ケースの地震対策
3.5.8 展示ケースのデザイン・意匠性
3.6 展示グラフィック
3.6.1 展示グラフィックの特徴
3.6.2 展示グラフィックが表現する「世界観」
3.6.3 解説パネルの種類
3.6.4 展示グラフィックの制作の進行管理
3.6.5 デザインフォーマット
3.6.6 展示グラフィックの制作方法
3.6.7 文字組のデザイン
3.6.8 地色と文字色のコントラストと照明の関係
3.6.9 図版のデザイン
3.7 レプリカとジオラマ
3.7.1 レプリカとは
3.7.2 レプリカの製作
3.7.3 3Dによるレプリカの作成とその問題点
3.7.4 ジオラマとは
3.7.5 ジオラマのタイプ
3.7.6 ジオラマと各種メディアとの複合
3.7.7 体験活動の舞台としてのジオラマ
3.7.8 ジオラマの製作
3.8 展示の解説システム
3.8.1 展示解説の方法
3.8.2 展示の構造と解説パネル
3.8.3 文字情報の提示
3.8.4 展示の種別による展示解説の違い
3.9 音声ガイドと多言語表記
3.9.1 音声ガイド
3.9.2 多言語表記
3.9.3 音声ガイドと多言語表記のこれから
3.10 対面式の展示解説
3.10.1 対面式の展示解説の目的
3.10.2 対面式の展示解説の実際
3.10.3 展示解説を行う際のポイント
3.10.4 ボランティアによる展示解説
3.11 広報のためのデザイン
3.11.1 博物館の広報の意義
3.11.2 新規来館者を集客する方法
3.11.3 来館者に対する広報
3.11.4 博物館のブランディング
3.12 展示図録
3.12.1 展示図録の役割
3.12.2 展示図録の制作
第4章 博物館の評価
4.1 展示の評価法
4.1.1 ゴール・レファレンス法
4.1.2 展示の質的評価
4.1.3 展示評価の研究実践
4.2 来館者調査
4.2.1 来館者調査の現状
4.2.2 来館者調査の目的
4.2.3 来館者調査の種類
4.2.4 来館者調査の方法
4.2.5 調査結果の分析方法
4.2.6 来館者調査の展望
第5章 ユニバーサル・ミュージアム
◆ユニバーサル・ミュージアムの構想
―触文化展示の意義と可能性
◆利用者の立場から考える①
ユニバーサル・ミュージアムに必要なこと
―さまざまな「見方」・さまざまな「見せ方」
◆利用者の立場から考える②
「迎えられている」と実感できる施設を