Precision Polymers and Nano-Organized Systems

＜英文書＞
ナノサイエンス、ナノテクノロジーが、２１世紀の技術革新のキーテクノロジーとして大きな注目を集めており、分子ナノテクノロジーは、新しい機能材料の開発に大きな力を発揮すると考えられている。高分子科学は近年大きな進歩を遂げているが、その中で特に注目されるのは精密重合と高分子ナノ構造である。高分子はちょうど１分子でナノメートルの大きさであり、ナノ組織体の構成に絶妙の材料であるため、ナノサイエンス、ナノテクノロジーの材料への展開は精密重合高分子を抜きにしては考えることができない。　本書は、この分野で世界を先導しているわが国の８０の研究グループからの成果を集めたもので、配列を制御した高分子についての研究成果、キラル高分子の合成・構造・性質、金属・無機のナノ粒子、球状有機分子、シクロデキストリンおよびポリロタキサンについてナノ組織体の構成単位、また高分子のナノスケールでの組織化と、注目されているハイブリッド系のナノ組織体についての研究などの基礎科学を紹介。さらには電子的磁気的機能、光機能、生医学機能からなるナノ組織体の性質と新しい機能についての最近の研究成果を紹介して、ナノテクノロジーが、今後どのような機能に結びついて実用化していくかについて多くの示唆を与える。　このように本書は、精密高分子・ナノ組織体の全領域をカバーし、世界を先導するわが国の研究状況を紹介して、高分子科学や材料科学に関係ある研究者、技術者、大学院学生はもちろん、広く、化学、物理学、電気電子工学、生医学の分野の人にも、今後の進むべき方向に示唆を与えることの多い格好の書である。